電脳筆写『 心超臨界 』

あなたが犯す人生最大の過ちは
過ちを犯すことを常に恐れることである
( エルバート・ハッバード )

「無駄死(むだじに)の美学」を生んだ神風特攻隊の悲劇――渡部昇一教授

2017-04-26 | 04-歴史・文化・社会
爆弾を抱えた一機一機が一片の桜の花びらに擬(ぎ)されたのである。最も苛烈残酷な戦場で、雅(みやび)やかな名前を付けたのは、日本人の美学の伝統によるものであった。後になると、特攻専用の「桜花(おうか)」という有人爆弾のようなものになった。本来は残酷の極み、グロテスクの極みと外国人に言われるものを、散りゆく桜の一片としてイメージするところに、出撃する本人も、送り出す方も、ぎりぎりの慰めを感じたのではあるまいか。 . . . 本文を読む

自分の中の「仏性」に目覚めよ――松原泰道禅師

2017-04-23 | 03-自己・信念・努力
ある日、臨済は、弟子たちに、「赤肉団上(しゃくにくだんじょう)に一無位(いちむい)の真人(しんにん)あり。常に汝等諸人(なんじらしょにん)の面門(めんもん)より出入(しゅつにゅう)す。未(いま)だ証拠(しょうこ)せざる者は看(み)よ、看よ」と説法します。「赤肉団」は、切れば赤い血の出る肉体のこと。「無位」は、位や位階がないという意味ではなくて、「位置」がない、つまり特定の位置や場所がないということ。同時に時間も否定して、いつでも、どこでも、というのが「無位」です。 . . . 本文を読む

律令天皇制の根拠――西尾幹二教授

2017-04-22 | 04-歴史・文化・社会
天皇を「現御神」とする観念は、人でもあり神でもある存在を承認しているということであり、「天」と人間世界との間が切れている中国の皇帝との相違点を示す。『古事記』の世界においては人であり神でもある存在がごく普通に描かれ、活躍していた。というよりも、そこでは万物が神となりえたのである。人である神は、神々の世界の一部として存在していたにすぎない。 . . . 本文を読む

教育勅語論争に欠ける歴史認識――高橋史朗さん

2017-04-20 | 04-歴史・文化・社会
教育勅語の教材化の是非をめぐるマスコミ報道には、教育勅語の起草と廃止過程及び教育基本法との関係に関する歴史的事実の正確な認識が欠けている。この問題を真正面から議論した政府の臨時教育審議会の総会で、第一部会の専門委員であった筆者は、在米占領文書研究に基づく実証的立場からこの問題について詳細に報告した。 . . . 本文を読む

なぜ女から声を掛けたのが良くなかったのか――竹田恒泰さん

2017-04-20 | 04-歴史・文化・社会
伊耶那岐神(いざなきのかみ)と伊耶那美神(いざなみのかみ)による国生みは、我が国における最初の性交の描写です。ところが、先に女神から声を掛けたことが原因で、二柱(ふたはしら)続けて未熟な子が生まれました。では、なぜ女神が先に声を掛けたらいけないのでしょう。古来日本において結婚は男から申し込み、女の承諾を受けて成立するものであると観念されてきました。そのことと関係があると思われます。 . . . 本文を読む

憲法制定には、まず日本の歴史の研究から――倉山満さん

2017-04-18 | 04-歴史・文化・社会
そもそも、Constitutionとは国家体制のことである。この語を最近は「国制」と訳すことが慣例だが、制度の意味合いしかなく不正確である。Constitutionには歴史・文化・伝統の意味が含まれるので、戦前流の訳し方である「国体」が正しい。すでに存在する国体を明文化した国家統治の根本法が、憲法典(Constitutional code)である。 . . . 本文を読む

排日の福音書(バイブル)となったウイルソンの「14ヵ条」――渡部昇一教授

2017-04-16 | 04-歴史・文化・社会
アメリカの反日煽動家たちは、ウイルソンの「14ヵ条」以前から、中国人を煽動して日貨排斥運動(日本商品ボイコット)を行なったり、諸新聞を動かして反日キャンペーンをやっていた。そして、中国人も反日運動をやればやるほど、それはアメリカの気に入ることを知ったし、また、アメリカ大陸で排日をやっている者たちも、排日をやっているのは自分たちだけでないと考えることは、気分がよかったに違いない。広汎な層に亘(わた)って反日親支感情がアメリカに生じていた。 . . . 本文を読む

不徹底な歴史家の態度――西尾幹二教授

2017-04-12 | 04-歴史・文化・社会
邪馬台国の位置と行程に関する論争をのぞき見すると、深読みにいろいろ拍車がかかっている。よく知られる「水行十日陸行一月」は普通には「水行して十日、さらに陸行すること一月」と理解されてきたが、それでは南の海上へ出てしまう。九州説に固執する人は、「水行すれば十日、陸行すれば一月」と読み直すことで、決定的に解決した、という。私には、前項に述べたように、助詞を持たない漢字漢文の表現力の限界と貧しさ、つまりどうにでも読める中国文学の非論理性をひたすら証明している事柄のように思えてならない。 . . . 本文を読む

国生み――竹田恒泰さん

2017-04-10 | 04-歴史・文化・社会
別天神(ことあまつかみ)と神世七代(かみよのななよ)が成った物語の次に、伊耶那岐神(いざなきのかみ)と伊耶那美神(いざなみのかみ)による「国生み」と「神生み」の物語に移ります。天(あま)つ神(かみ)(高天原(たかまのはら)の神全体)はその総意によって、神世七代のうち、最後に成った伊耶那岐神と伊耶那美神に、下界の海をお指し示しになり「この漂っている国を修(おさ)め理(つく)り固め成せ」と命ぜられ、美しい玉で飾られた天(あめ)の沼矛(ぬぼこ)を賜(たま)い、ご委任なさいました。 . . . 本文を読む

平成29年-Q1 メルマガ『心超臨界』・アーカイブ

2017-04-08 | 12-読書記録
平成29年Q1のメルマガアーカイブです。 . . . 本文を読む

風流にこだわらないのが風流――松原泰道禅師

2017-04-03 | 03-自己・信念・努力
この「風流」に関し、思想家の唐木順三さんが面白い解釈をしています。禅者は「言句(ごんく)、つまり言葉や文字では表現できないような深い事象を『風流』と呼んだ」というのです。真・善・美、そして聖なるもの、こういうものを追求していくところに、科学や芸術、宗教が生まれてきた。それは、とても言葉では説明できない。それを「風流」というと唐木順三さんは言っています。 . . . 本文を読む