カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

「塔」5月号・特集豊穣祭

2011-05-13 18:45:39 | Weblog
今夕、帰宅すると、ポストに歌誌「塔」5月号が届いていました。今号の特集は「豊穣祭」。今年で入会十年目になる私も今回の豊穣祭にエッセイと短歌を掲載して頂きました。以下は私が提出した草稿です。。。



【エッセイ】


 史書『ブルネグロ年代記』によれば、その日、老齢のブルネグロ飛行男爵は、飛行艇を操作してゐて自分のお城の西塔から誤つて墜落。二〇〇年もののブルネグロ家伝来の飛行艇は直ちに修理に回され、老飛行男爵はベッドの中から周囲に隠退を告げられたといふ。






【短歌五首】


タイトル:西塔墜落事件余聞~猫舌~



ブルネグロ猫らは二枚の舌を持つ ひとつは行燈油(あぶら)を掬ひ取る極上舌(した)


飛行艇乗りは飛行油(あぶら)掬ひ用匙としてひとつの「猫舌」持つのが掟


男爵の「猫舌(した)」西塔に失はれしこと お城の数人にひそと告げらる


猫舌狩(したが)りは夜刻の底ひなる闇の中 飛行艇修理係の抜き足差し足


ブルネグロ猫の親分背をふるはす(今宵は妙に尿(ゆば)りたくなし)
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東電の「電力不足キャンペーン」

2011-05-13 12:58:11 | Weblog

東電の「電力不足キャンペーン」に関するメモです。。。


東京新聞の記者さんたちがいま一番国民目線のマトモな報道をしてくれているような気がします。


他のマスコミの報道姿勢が少々だらしないのかもしれません。。。

 

以下は、文芸評論家笹川吉晴氏のブログ記事

タイトル「2011年5月12日(木) 電気あります」
http://d.hatena.ne.jp/y-sasagawa/20110512

について。


*****


笹川氏は、

2011年5月12日(木)付東京新聞「こちら特報部」記事:
【東電また“情報操作” 「電力不足キャンペーン」にモノ申す】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2011051202000064.html

を取り上げて、

「(前略)数字が妥当だとすれば、原発停止→電力不足を煽り立てるマスコミ報道の中で、東京新聞らしい骨のある記事。(後略)」

と書かれていますが、私もまったく同じように感じます。


東京新聞にはますます頑張ってほしいものです。

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訃音記事から

2011-05-13 12:53:53 | Weblog

訃音記事から。。。

自然と口ずさみたくなるようなおしゃれで魅力的な作品をたくさん作曲してくださった偉大な作曲家、宇野誠一郎氏(作曲家)死去
(2011年5月11日 12時34分配信東京新聞記事)

 宇野 誠一郎氏(うの・せいいちろう=作曲家)4月26日、心不全のため東京都内の病院で死去、84歳。兵庫県出身。親族で密葬を行った。喪主は女優で妻里見京子(さとみ・きょうこ、本名宇野崇予=うの・みつよ)さん。
 早大在学中から舞台音楽を作曲し、卒業後はテレビに進出。NHK「チロリン村とくるみの木」「ひょっこりひょうたん島」「ネコジャラ市の11人」などの人形劇や、民放のアニメ番組「ムーミン」「一休さん」などの音楽を手がけた。
 井上ひさしさん作による舞台音楽の多くを担当し、「十一ぴきのネコ」「花よりタンゴ」「紙屋町さくらホテル」などが代表作。童謡「アイアイ」の作曲でも知られた。

(共同)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011051101000392.html

 *****

ここのところ、不思議な雰囲気で格好いい転調部分にとりわけ惹かれて、名曲「ひょっこりひょうたん島」主題歌が頭の中で鳴ることが多いです。

たとえば武満徹氏のポップス作品にも共通していることですが、宇野さんの作品の魅力のひとつはJazzyなコード進行にあると言えるかもしれません。

ご逝去がすごく残念です。心からお悔やみを申し上げます。

コメント (2)
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過去

2011-05-13 07:14:02 | Weblog
車窓より今朝越した家眺めればただ一枚の絵のような過去  藤田千鶴(歌集『貿易風』所収)



藤田さんのこの作品から受けるじいんという余韻は、大林宣彦監督の映画「転校生」の最後の印象的な別れのシーンを見た後の気分に近いかもしれません。過去の時間というのは、空間に盛り上がっているものではなくて、案外薄っぺらな「一枚の絵」みたいなものかもしれないです。惹かれる一首です。
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