カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

屋根裏のダダ(メモ)

2009-03-24 20:20:25 | Weblog
 その夜、乾電池が飛んで来たのだった。僕の他には誰も居るわけがない、四階音楽室の、深い渋色をした、この学校のよかった時分を伝える唯一の遺品のベーゼンドルファーの椅子に腰を掛けて、傷だらけの鍵盤の蓋を閉めたまま、僕は口を開こうとしていた。僕から見て左手の、真っ暗な校庭に面した窓に映った人影に向かって、二言か三言ぐらい、何かを言おうとしていた。だがしかし、それは、僕らが平生考える言葉ではなくて、極めて動物的な音声だったはずだ。僕の喉は悲鳴を上げたくてうずうずしていたのだから。
 その人影は僕の強ばった顔を見ておそらく笑っていたようだ。僕はしっかりと見ていたわけではないから、確かではないけれども。そして、消えた。その後、使用済み乾電池が不意に窓の向こう側からガラスを突き破って僕の開きかけてとまった口の中に飛び込んで来やがった。僕はそれをまんまと呑み込み、その翌朝下痢をしてパンツを汚してしまったのだった。
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ひろい世界へ

2009-03-24 03:28:11 | Weblog
 一昨日の夜、NHKFMにダイヤルを合わせていると、「ビバ!合唱」という番組のなかで、オッ、と思う曲が流れました。


「ひろい世界へ」
(高木あきこ作詞、橋本祥路作曲)

ぼくらのまえにはドアがある
いろんなドアがいつもある
ドアを大きくあけはなそう
ひろい世界へ出ていこう
ドアのむこうの輝きを
じぶんのものにするために
ドアのむこうの輝きを
みんなのものにするために
ぼくら青い実
ぼくら赤い火
雨にうたれ
風に吹かれ
手と手をつなぎ
心をつなぎ
歌を歌をうたいながら
ぼくらのまえにはドアがある
いろんなドアがいつもある
ドアを大きくあけはなそう
ひろい世界へ出ていこう

※児童合唱組曲「歌・ともだち・そして未来」(教育芸術社)の中の一曲。


 なにより詩が素晴らしいのは言うまでもありませんが、メロディとコード進行にも、オッ、と思いました。この歌を聴くのはじつは二度目。一度目は、声楽家のさゆさんのライブででした。すごく大好きな歌です。

 ***

同声三部合唱曲「ひろい世界へ」(橋本祥路作曲)
http://www.hi-ho.ne.jp/momose/mu_title/hiroi_sekaie.htm

http://homepage1.nifty.com/mrjsroom/midi/words/hiroi_se.htm

1987(昭和62)年に教育芸術社から発表された児童合唱組曲「歌・ともだち・そして未来」の中の曲です。

 ***

津久見市民合唱祭 2008/2/24・堅徳小学校6年生による合唱「ひろい世界へ」
http://www.youtube.com/watch?v=cSeKX8QblOI
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