モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

光の中にネコ現る

2022-03-24 21:24:50 | 学生


月咲 中1 岩絵具・金箔/パネルに和紙

年度末の忙しさに苛まれています、ホノカです。今回は学生クラスから月咲の日本画のご紹介です!
この作品、まず一番目を惹かれるのはなんと言っても金箔でしょう!背景の全面に敷かれた金箔は彼女がおよそ34週間に渡って貼り続けた一番の苦労ポイントです!ですがあまりの明るさにネコの色が暗くなってしまっていますね…ネコは元々チョコレートのように明るいカラーなのですが、あまりに金箔が眩しすぎて写真で撮影すると負けてしまうくらいです。

また、実はこの絵で金箔と同じかそれ以上に時間をかけていたのは、モチーフ選びでした。ネコがモチーフで描かれる絵は自身のペットが描かれることも多いですが、彼女はネコを飼っているでも無く、特別ネコが好き!ということでもありません。でも金箔を背景にするならこんな感じ!という具合にネコを選んでいたため、ネコがどことなく置物やぬいぐるみのような人工物的な印象も受けます。そして、ネコはおもちゃの鞠を転がしていますが、そのネコ自身もなんとなくおもちゃのような幼さがあり、さらによくよく見るとまるで妖怪の様にも見えませんか?ネコの絵=可愛い!という固定観念で生きていた私には衝撃的な作品です。

そんな少し可愛くないネコですが、その色のチョイスは絶妙です。中央のネコには重さを感じる暗めの色を使っていることで、金箔に負けないほど存在感が生まれました。また鞠の色も寒色にすることで、少し落ち着きのあるくどすぎない画面になっています。彼女も他の中1女子に負けず劣らずおしゃべりが楽しくて仕方ないくらいですが、色の選び方は少し落ち着きがあるような気もしてきますね!また口を動かすことに夢中になって色を間違えていたりもしましたが、いざ完成してみるとネコの立体感に繋がっていたので意外と策士なのかもしれません、笑。

私は彼女の描く動物を今回初めて見たのですが、なんとも本人そっくりな感じでふてぶてしいのでまた今度動物を描く機会が
あれば楽しみですね!今度は口だけじゃなくて手も同時に動かしてあげてね!


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