モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

聖母子像を画く、皆さまへ

2019-08-20 23:22:53 | 大人 油絵・アクリル


永瀬 油彩

どうも幸介です!お盆休みも終わり、季節も夏から秋へと切り替わりのタイミングになりました。続く酷暑で夏バテ気味で、さっさと秋になってくれという気分ですが、皆様お元気に過ごされていますでしょうか。

さて、本日ご紹介するのは大人クラスより永瀬さんの作品。生まれた頃のご長男とご自身の写真をモチーフに制作されました。永瀬さん独特のグレイトーンやアースカラーを感じさせる落ち着いた色合い(しかし決して地味ではなく豊かな色幅)や、ガーゼのように重ねられた筆使いが、人肌の温度や赤ちゃんの匂いまで伝えてくれます。
陰影はクッキリと描かれずに、立体感を追うタッチではありません。しかし永瀬さんの作品にはいつも人物の存在感や息づかいまでが描かれいます。すべて統率の取れた色彩ではなく、細部に濁るように使われた補色(肌の部分の緑など)がその魅力の理由でしょうか。今回の作品では手が特に素敵ですね!デッサンだけ見ると写実的ではなく少し不安定なようですが、柔らかいものに添えるしなやかな手が、すごく良いなと感じました。

永瀬さんのコメントは、
「聖母子像というのはきっと母親になった女性には描けないと思います。神聖化して絵の題材にできるのは、客観的にしか子育てに関わらず毎日の慌ただしい現実を知らない男性が描くものではないでしょうか?でも、母親にだって生まれた時は子どもに対して確かに果て無き純粋な愛情があったのです。それを思い出す意味も込めて取り組んでみました。」
と、暖かな画風に反してやや重いテーマ。そして、その言葉を聞いて、ハッとさせられました。今まで散々聖母子像など目にしてきたつもりで、アトリエなどでも散々親子の姿を見て来たのに、そんなこと気付きもしなかったです。いまだに子どものように好き勝手生きている僕は、一生その域には達せなさそうです。

今まで永瀬さんの作品は、少し抽象的な表現の作品を目にすることが多かったので、今回のようなストレートにモチーフと想いを描いた絵は新鮮に思います。そして、今までとは違った側面の永瀬さんの性格が見えたように感じます。日々の小さな気づきから、人生・死生観まで足を伸ばすアイデアは、自身を表現する手法として興味深いですね!あと、ちょっと皮肉めいたブログタイトルにしたこと、永瀬さんは許してくださいませ!!


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