杉本 透明水彩
寒すぎて極力家に引きこもってます、ナツメです。本日は水曜大人クラスより杉本さんの作品をご紹介します!
今回は初めての透明水彩ということで、温かい光がそそぐテラスを描かれました。葉の擦れる音や周囲の広さを感じるほど空気感が巧みに表現されています。
やはり印象的なのは光の加減ですね!木漏れ日のコントラストはそこまで強くないため強い日差しには感じさせないのですが、光の当たる奥の葉に鮮やかな色を使ったり逆行になる手前の椅子に強い暗さを置くことで、奥の空間に広くあたる光の明るさを表現しています。木漏れ日は一度壁の暗さを塗ってから、(洗剤無しで茶渋が落ちる)メラニンスポンジ『激落ちくん』を駆使し明るい部分の絵具を抜いて表現されました。
それぞれの形も正確に取られていて、椅子の脚や奥のフェンスなど、筆で描ききれないような細い線にも積極的に挑まれました。工業製品の真っ直ぐで硬いラインが正確に描かれているため、木や石畳などの自然物の佇まいもより強調されています!
透明水彩はその名の通り下に塗った色が透ける絵の具なので塗り重ねれば重ねるほど色が暗くなっていきます。油絵やアクリル絵の具のように上から重ねてカバーすることのできない画材なので、光の当たっている所などの明るくしたい部分は塗り残しておくなど、最終的な完成図のイメージを作り色をおく計画を立てる必要があります。以前までアクリルで写真模写をされていたため透明水彩に変わったことで色の扱いなどに苦戦された部分もあったと思いますが、それを微塵も感じさせないほど色の滲ませ方や濃淡など画材の持ち味を活かした絵になりました。様々な画材を扱うことができると描きたい画面に合わせて選択ができるため、皆さんもどんな画材が合うのかから考えてみてはいかがでしょうか?