神宮 「白い陶器のコンポジッション」 油彩
どうも幸介です!本日ご紹介するのは大人クラスより神宮さんの作品。陶器のティーセットが置かれた、リアルな描写の油彩。モチーフに当たる光が美しく、クールな印象を覚えます。神宮さんの作品は多摩川や和室の風景など、「情景」を描くことが多い様に思っていましたので、今回のこの静物画には驚きました!
なんといってもこの作品で一番光るポイントはその構成力でしょうか。土壁と分厚く年月を感じさせるようなテーブル、そしてそこに置かれたモチーフ。モチーフの置き方も、『並べました!絵を描きます!』という作為的な感じがありません。これはモチーフの画面上での重なりや奥行きでの配置などが均等ではないためでしょう。しかし、麦の曲がる方向をモチーフの少ない方に重心を置いたり、垂れ下がるテーブルクロスの角度を、水平なテーブルに対しておおよそ45度の均衡を取れる角度で垂らしていることなど、そういった規則的な配置で画面全体をまとめています。垂直、水平で構成された構成された清潔な画面ですが、嫌味に感じないのはチェリーの赤が視線を惹きつけ、その規則感を乱してくれるからだと思います。
そもそも上記の構成力は、描写力があってこそ発揮されるものですが、もう描写の技術に関しては言わずもがな、だと思います。今回のこの作品は、今までの神宮さんの作品の中でもダントツにクールで、なんというかもうカッコいい!!というのが感想です。技術力や構成力を嫌味に見せず、さらっとやってのける。そこにシビれます。これは本当の大人じゃないとできないですね…しかも、作品が出来上がるまでの制作中の神宮さんは貪欲そのもので、あの姿からこの地に根張ってるようなズッシリとした作品が生まれることにも興味をひかれます。
僕の脳内からは生まれないであろう作品とその制作過程を目の当たりにして、得した気分でさえあります。次回神宮さんにお会いしたときは、ぜひその爪の垢を煎じて飲ませていただいて、その落ち着きやクールさを僕も身につけさせてもらおうと思います!
田中幸介
この精密さと相反するスピードに、ただただ感嘆するばかりです。
爪の垢を煎じて飲ませていただいて、神宮さんのパワーの僅かでも身につくものならば、私も是非ご相伴に与りたいです!
私は密かに、「神宮さんは働かないで、絵ばっかり描いているんじゃないか?少なくとも本業が画家、仕事はバイトに違いない。」と睨んでいます。(ジョークです!)
このスピードとクオリティーは常人の域を脱しているので、真似しても火傷するだけです。
私達は諦めて、イーゼルの後ろから指を加えて「早えー」とつぶやいていましょう。神宮さんの事だから時々後ろを向いてニヒルな笑顔を見せて下さるでしょう。