モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

絵が持つ温もり

2023-07-13 23:14:23 | 大人 油絵・アクリル


石山 アクリル

暑さで流石に溶けそうです。マユカです!本日は石山さんのアクリル画をご紹介します。

水彩絵の具のように柔らかく優しい筆使いで描かれた一枚、お友達とそのお子さんの写った写真から題材を選ばれました。
母親の優しく、温かさに満ちた眼差しは子を包み込み、母子の間には強い愛情が感じられます。鮮やかな色合いで全体的にまとめられており、髪色や肌に青や紫、ピンクのように様々な色をふんだんに混ぜて使っているため、加工フィルターをかけたような少し幻想的な雰囲気があります。

アクリル絵具を、水彩絵具のように水たっぷりで薄く塗る部分もあれば、チューブから出した絵の具そのままを、がさっとマチエールをきかせ油絵の具のように塗り重ねた部分も混在します。また人物の中には、極端に違う寒色と暖色を半分ずつ使用した為、相反する技法・色味がどうすれば喧嘩しないか悩みながら制作され、B5サイズ程の小さめの作品ながら、描き始めがいつだったか思い出せないくらい何ヶ月も掛けて取り組まれておりました。
長く悩んだ甲斐あってか、中央の2人は水で薄めた絵具を何度も塗り重ね、重厚感のある仕上がりにより、じっくりと見たくなる魅力を感じます。背景はチューブから出したままのアクリル絵具をたっぷりペインティングナイフで使っていますが、淡い色調でふんわりとぼかされているため、より2人を引き立たせ、暖かで優しい空間を感じます。人物だけでなく、椅子へ深く腰掛けている様子や表情などの細かい箇所への気配りも、この作品をよりリアリティある作品へと昇華していますね。

暖色を主に使えば作品全体の雰囲気も温かな印象になり、寒色を使えば、全体的に冷たかったり、無機質な印象を与えられます。寒色と暖色は統一することにより、全体がまとまって見える…という効果もあるので、あえて同系色を多めに統一してみる、というのもまた一つの手かもしれません。


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