明日菜 / 波那 共に高1 グレーのイラストボードにパステル・チャコペン
大竹です。今回ご紹介するのは学生のグレーデッサンです。二人共、美術系進学ではありませんが小学生クラスから通っています。二人ともグレーデッサンは初挑戦。グレーデッサンはその名の通り紙が中間の色をしているので、モチーフの中間の色は紙の色を活かして残しつつ、より明るい・暗い部分をパステルやチャコペンで描き加えていく必要があります。二人とも少し描きすぎ(紙のグレーを活かしきれていない)部分もありますが、モチーフ形・質感をしっかりと捉えて描いています。
明日菜・・・レンガ3面の黒の色合いが美しく、重さもよく表現出来ている。布も細かい色の変化を追うことで、波打つ布の立体感と柔らかさが感じられます。ただ、ちょっと布が薄汚れているようにも見える(そもそもモチーフのアトリエの布が汚れていたのかも?笑)コーヒーメーカーの左下部分が少し左に伸びてしまっているのが気になりますが、面によって変化している金属の光沢の色合いをしっかり描くことが出来ています。
波那・・・レンガが逆パース(手前より奥の幅が大きくなっている)になっているのが目立つので、基本的な形が狂わないように冷静に観察しましょう。布のシワ、形の変化がよく観察出来ており、色自体は軽めに仕上げた分、主役のモチーフがしっかり目立っています。インク瓶の形は良いですが、真っ黒すぎるので描く際はガラスへの写り込みを大袈裟に演出して描いてもいいかもしれません。明日菜はコーヒーメーカーを新品の様に描いているのに対し、波那は年季の入ったアンティークの様な雰囲気があり対照的で面白いですね。
二人とも、難しい形のモチーフに対して逃げたりせず、最後までしっかり描いている好感の持てるデッサンです。モチーフを正しく描くだけではなく、より魅力的に見せるにはどうしたら良いかも考えていくと良いでしょう。二人ならそこまで出来るハズ!