室橋 油彩
連日の逃げられない暑さ…外に出るのも嫌になりますね…サヤカです。今回は水曜午前クラスの室橋さんの作品をご紹介します。
室橋さんは、以前小学生クラスに通っていたお孫さんのおばあちゃまです。お孫さんの事を小原先生に聞くと「やんちゃだけど、すごく絵が上手かった」そうで、そんなご家族と同じ絵画教室に通ってくださる勇気?(孫と比較されて、祖母の沽券にも関わりそうな気もしますので)にも感動しました!
初めての油絵ですが、緑のバリエーション豊かな色作りに、ベテランの風格すら感じます。
画面のほとんどが『緑』で構成され、一歩間違えると単純でつまらない印象の絵になる怖さがありますが、室橋さんの『緑』からは、さまざまな自然の表情が伺え、リアルな空気感が描かれています。
季節は初夏といった時期でしょうか?日差しが強くなるにつれて、植物もだんだん緑が濃く鮮やかになっていきますが、春の息吹も残っているように感じられるのは、新芽の若く淡い色調も使われているからです。また、林の幹を一本一本描いていますが、左手前の林の幹と、奥の幹では濃さに差を付け遠近感を出しています。水面に映る景色も手が込んでいて、細かな部分まで丁寧に観察し仕上げていることが伝わってきます。詳細まで妥協しないこの緻密さが、より作品のクオリティを上げているのです。
人の手によって整えられた花壇と木道、奥に自然のままの木々・山々が見える森林公園に訪れたら、思わず深呼吸したくなりますよね。絵の前に立つと、瑞々しいい緑の香り、川のせせらぎまで感じられ、皆さんもこの風景の中を散歩しているような気持になるでしょう。開けた場所を歩く時は吹き抜ける風が気持ちよく、茂った葉が影を作る森の中は木洩れ日が美しく…と森林浴の想像が止まりません。
豊かな色彩から、草の香り・小鳥のさえずり・風・光・気温・湿度など、描くことができない視覚以外の五感まで刺激されます。冒頭で「外に出るのすら嫌」と書きましたが、こんな場所なら喜んで出掛けます!
初挑戦の油彩でここまでこだわれる室橋さんのこれからの作品が楽しみです。