杉本菜々子 大学4年
・『あなたにとってのコロナは？』のイラストの解説
世界中を飲み込んだコロナウイルスを擬人化しました。私たちの生活を食べているところです。色々飲み込まれて、友達とも会えなくて本当に一年が短くて悲しい年でしたが、同時に今までの悩み事も飲み込んでくれた感じもあって、その面では頭が軽くなってよかったです。
・簡単な自己紹介
小２からミオスにお世話になっております。中２で高校受験の為一度やめましたが、高校生になり「やはり美大に行きたい！」と決意し、高３で部活を引退し美大受験専門予備校に行くまで、受験用のデッサンなど教えてもらっていました。現在多摩美術大学グラフィックデザイン学科の4年生です。卒業制作に奮闘中です。ノリ先生と幸介先生に出会って15年？！長い…。先生たちにはいつも図星を突かれます。怖いです。
・コロナの自粛期間があって良かった事、得た事は？
家族揃ってご飯を食べる事が増えて嬉しいかったです。あと身の回りの人に、「ありがとう」と「好き！」をしっかり伝えておけ！というマインドになりました。家族が病気になるかもしれないし、また友達と会えなくなるかもしれない。時間は有限！照れ臭いとか言っている場合じゃない、言えるうちに言う！
ノリ先生、幸介先生、ここまで私を育ててくれてありがとうございます。好きです。
・逆に嫌だったり、困った事は？
スポーツが消えたこと。友達と大勢でスポーツができない！オリンピックがない！発狂しそうでした。一時はテレビを含め、身の周りのスポーツが一切無くなって、大きな心の支えが無くなった感じでした。友達や家族と集まって、テレビ前でみんなで叫んでガッツポーズしてるあの時間が大好きです。早くオリンピックが見たい！！
・世界中が不安になっていた時期に出来たクリエイティブな事があれば教えてください
ただの “片付け”ではなく”散らかりにくい部屋にする改革”を行いました。今まで本当に片付けが苦手でしたが、在宅業務とリモート授業や飲みを、このゴミ部屋を拠点にはできないと思い、時間もあったので、物の置き方、場所、入れ物などを一から見直しました。狭い部屋からいかにスペースを削り出せるか、いかに好きな空間にできるかと燃えていました。
・もう一度、あの不自由なコロナ期間の生活をやり直すならどう過ごす？
更に読書しまくる、映画、アニメ、漫画、今まで手をつけていなかった名作をもっと見る。あと早めにGO TOキャンペーンで高級温泉旅館に泊まっておけばよかったです。
・年内でコロナなんて忘れてしまう位、ムカついた事は？
ヤマト運輸で配達のバイトをしているとき、主婦にいきなりアルコールスプレーされた事。めっちゃ嫌そうな顔されて意味不明でした。え？あんたがネットで買ったもの運んであげてるんですけど？と超頭にきて、「そういうことするなら頼まないでください、言ってくれればその場で消毒するし。ここ印鑑。はい、ありがと〜」と言ってもガン無視を貫かれた事。キーーーーーーーーー！！あと5秒長く顔見てたら殴りかかってたかもしれない…お辞儀もできないあんな人おばさんにはなりたくないです。
・気が晴れる方法は？
カラオケで歌う、叫ぶ。自分の気持ちとマッチする曲をガンガン入れて本人になり切って歌う。マイクがあるのとないのとでは、気の晴れ方に大差が出ます。
・なんの為なら朝ベッドから飛び起きれる？
旅行の出発日。どうしてもメモしておきたい凄い夢を見た時。
・今までやった中で一番クレイジーな事は？
目立ったことがありません…至って普通でした。小学校の頃は猫のフンを集めたりとか。あと今年やってしまったミスは、企業のエントリーが始まる頃、周りが就活を頑張っている中一切就活をせず、仏教の六道と妖怪にハマり、夜な夜な調べてしまったこと。その後一社だけ受けてみた大手のお菓子メーカーで、思いのほか選考を通り、最終四次面接、お偉いさんたちに、地獄の説明をしたり、描いた妖怪の絵を見せたりしてたら、落ちた。
印鑑の話までされたのに〜！後半は本気だったので、普通に悲しかったです。
・子どもの頃から持っている教訓、知恵は？
「運がいい」と言っておく事。やりたいことは口に出す！
・あなたにとっての自分らしさは？
ま、いっか〜！で進んでしまうこと。いい点でも悪い点でもある。
起き上がりこぼしのようなメンタル。
すぐに落ち込むけど、立ち直りも人より早いです。
・自分の近況報告を兼ねて、ミオスの生徒さんや保護者様にフリーメッセージ
私は今年美大卒業ですが、まだまだやりたい事が多いので、今年1年間はセルフ大学院の年にしようと思います！イラストレーターの仕事や、デザイナーのアシスタント、お世話になっている教授の仕事の手伝いなど、他にも色々なアルバイトをしてお金を貯めて、作りたいものをたくさん作る年にします！
突然ですが！私は今回この場を借りて、ミオスの美術大学に憧れている学生さんに、美大（特にグラフィックデザイン科）について忠告したい！
まず美大生はキラキラしていません！土臭いです！そしてとても大変です！
グラフ生は常に課題を3.4つ以上抱えていて、〆切前はみんな徹夜。デザイナーになってからは更に徹夜が増えます。比じゃありません。先日幸介先生とも話しましたが、世の中に貼ってあるポスター、広告、雑誌など、それら全部、本当にデザイナーの汗と血と涙と、寝落ちした時のヨダレでできています。それでも作ることが好きだからあまり苦じゃない！耐えられる！という人か、睡眠が大っ嫌い！という人がデザイナーに向いています。決してフワフワと「デザイナーってかっこ良さそうだし、図工得意だし、勉強できなくても大丈夫そうだし〜(私)」とかで目指すものではありません。後悔しますよ！普通に勉強して一般大学に行って、ちゃんと企業に就職した方がおそらく安定していて総合的に楽です。勉強より絵を描く方が得意だから、という理由だけで美大を選んだり、この話を聞いて「そういうふうに言われると余計入りたくなるんだよね(^.^)」とか、絶対やめてください＾＾
一度自分に問い直してみてください。寝ずにデザインできるか(＝デザイナー)、他の時間を犠牲にしても絵を描き続けられるか(＝アニメーター)、もしかしたら趣味でもいいんじゃないか、と。それでも答えが変わらないようならどうぞ美大のデザイン科の門を叩いてください！美大生活は間違いなく楽しいし面白いし、教授陣は本当にすごい人ばかりだし、一緒に〆切と戦ってきた同学年の同志たちも最高です。本当に好きで自分で選んで入ったなら、きっと責任を持って課題も頑張れるし、学んだことは社会に出てから、直接美術に関係なくても色々な場面で必ず活かせます。
入学当初一学年200人いたグラフ生は今や140人です。消えた60人の中には、美大キツイ…しんどい…何もしたくない、と言って辞めていった人、鬱になってしまった人もいます。「なんとなく楽しそうだから」「勉強するより楽そうだから」と気軽な気持ちで入学したせいで…本当にそうなってほしくないです。今年はコロナでデザイン職の募集も激減して、みんな頭を抱えています。私も美大を選んで、100%後悔がないかというと、はっきり首を縦に触れません！4年間、根性で乗り切った部分も多かったなぁ笑。本当にスポ根があってよかったーーー！！
私はこの2月からしばらく福岡で、新しくオープンするビール屋さんに住み込みで壁画を描く仕事をしてきます！初の九州で初仕事。どうなるのかわかりませんが楽しみです＾＾健康第一で頑張ろうと思います！
ズタボロ言っておいてなんですが、やっぱり私は美大が好きです。美大生は美大に入れる時点で度胸があるので、どこに行ってもなんだかんだ大丈夫かもしれません。本人次第ですが！
皆さんも体に気をつけて、楽しい一年にしてくださいね！
