![Matuoka_10 Matuoka_10](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/c9/e9fbeebbae44bc2bc0aaaf44c0e31ee2.jpg)
梅雨入りとともに、大雨の金曜日でしたね。でも今年は長靴を買ったので、ちょっと強気にいけそうです!
さて本日は水曜午前大人クラスより、松岡さんの日本画をご紹介します。
今回は、完成まで5ヶ月かけた大作!日本の靄ががった深い山の風景を描かれました。松岡さんは、テレビで気になった景色やモチーフを写真に撮り、それを元に描かれることも多いのです。今回もそうした一枚ですが、映像を見ている瞬間にそこから受けるイメージを脳裏にじっくり焼き付けて、感動を味わっているからこそこのように描けるのだろうなぁと感じます。
今回のように空間の多い景色は、日本画歴の長い松岡さんでも苦労されたと思います。でも持ち前の好奇心と探究心、何より実力で素晴らしい仕上がりになりました!湧き上がる靄の色彩、タッチや粗い岩絵の具をどこに置くか…など、見所がたくさんあります。岩絵の具をのせた後も、そこからナイフで削りを入れたりと、細やかに神経を配り描かれています。こうしたなんとも言えないとろけるような色の重なり合いは、日本画の十八番ですね。
下書きとなる骨描きの後も何度も墨をのせ、その上から暗い青の絵の具をのせてじんわりと染み込むような木々を描きました。この岩絵の具と墨の重なり合いと使い分けが素晴らしいです!手前の木々は赤やピンクなどの暖色系、奥は青を入れて空間を演出しています。
そして、大きな風が湧き靄が舞い上がる中で、ひっそり静かに揺るぎない存在を主張する一本の木。この配置も今回のこだわりどころです。画面全体が動の気配のため、この木の静がより際立っています。時代とともに移りゆくものと変わらないもの、というようなまさに大河小説のようなイメージも想起される、重厚な一枚に仕上がりましたね!
なんて、大人の迫力のある作品を作られる松岡さんですが、結構お茶目でも…あるんです。今回の作品でも、岩絵の具を盛った後で削って微妙な表現をしているのですが、興に乗ると止まらない!ガリっと和紙まで削れちゃったり!?いけね、怒られる!なんて、こっそり見つからない内に修復している姿なんてまるで少年のよう。楽しんで描いているのが伝わってくる作品は、やっぱり作者にも遊び心と楽しみが溢れていますよね。その人の『らしさ』を、絵から想像するのもまた楽しいものです♪ 庄司でした。