モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

魔法のパピルス

2013-10-08 07:34:00 | 小学生 工作
今日は小学生火曜日クラスの紙工作です。(南澤)


Kamikousakukayou


2次元である紙を3次元の作品にするのが今回の課題であります。

これは、絵を描くことや粘土で立体を作る以上に大変な試練なのです。なぜなら、紙という既に完成された美しい、 1枚のぺったんこな形状に逆らってモリモリとした立体に変身させなければいけないのですから。
この作業を、3次元から4次元に変換することに置き換えればその困難さが想像つくでしょう。時間を越えて偉人たちが会議したり、常識に逆らった考えの人物に突然自分が変身したりするすることを想像できるでしょうか。

でも逆に考えれば、これほど美術教育の持つ意義の真骨頂はありません。次元変換に必要な想像力と実行力を身につけるシュミレーションになるのですから。紙を折る、切る、繋げる、ねじる、といった不自然なアクションを起こす事により、1枚の平面であった形状は、花や建物、人物や風景に変貌をとげます。そう、これはつまり魔法の練習なのであります。きっと人生には魔法が必要な時が訪れるものです。今までのやり方や眺めかたではどうしても抜け出せない状況が訪れた時、人はそれまでやったことのないアクションを起こさざる得ないでしょう。そんな時に、子供の頃習ったあの紙工作が頭をよぎります。あなたは恐る恐る会社の一辺を持ち上げたり、家庭の断面を繋いだりするでしょう。思い描ける希望の形態に向かって。

子供達にとって、今回の課題の技術を学び覚える必要はあまりないかもしれません。でも、あの抵抗しがたいどうしようもなく扱いづらいぺらぺらな形状の紙が、家やお城、花や動物に変身した遠い記憶は、魔法の巻物のごとく時あるごとに紐解かれるのです!!

Kamikousakukayou2


コメント
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