駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

夏になると思い出す。

2017年07月21日 | 小考

  

 通勤で小学校の校庭の脇を通る。木立があり蝉しぐれが喧しい。耳からも夏が感じられる。暑いのは平気というわけではないが、夏が好きだ。

 夏になると思い出すと歌われる。夏休みがあったせいだろうか、遺伝子に刻み込まれた記憶が蘇るのだろうか、夏になると懐かしく思い出す。じりじりと照り付ける日差し、青い空、緑の水田、鈍色の鉄路、近所のK君と釣竿を担いで畦道を行く小学生の自分が見える気がする。会ったこともない信長の望んだ濃尾平野が見えた気がする。

 日銀の黒田総裁、デフレマインドを懸念などと見出しにある。敗軍の将、兵を語るように聞こえる。心理は論理の外などと自分の不明を棚に上げた言い訳は困る。門外漢の私には日銀政策の成否を論ずることはできない。唯、思ったほど高得点を得られなかったのは確かのようだ。

 アベノミクスも陰りが見えるとアベノミクスと言わなくなるのが安倍方式で、自分への批判を印象操作だと批判するご自身が印象操作を駆使していたことが露呈した今となっては、方向転換もさほど効力を発揮しないだろう。

 人間は得意技で失敗すると言われる。口先では負けないつもりのトランプ氏、口は災いの元になってきた。フランス大統領マクロン夫人を中々のナイスバディと褒め、昭恵夫人はハローも言えないとこき下ろす。マフィアややくざの世界ならただじゃあ済まない。堅気でもと申し上げておきたい。

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性の不思議

2017年07月20日 | 人生

  

 蝉が梅雨が明けたぞと鳴いている、気象庁はそれを聞きつけたらしい。

  患者さんには痩せた人から太った人まで色々な体格の方が居られる。中には30kgに満たない高年女性もおられる。別に衰弱しているわけではなく、28kgでもきちんと自力で通院し家事をこなしておられる。診察すると本当に華奢で、失礼ながらよくこの身体で子供が産めたなあと驚いてしまう。勿論、若い頃にはこれほどは痩せておらず、35,6kgあったと言われる。それでも華奢な事には変わりない。

 少子高齢化社会になったと言われる。今後更にそれが進み、社会を支える労働者人口が減って、活力のない日本になるので、早急に手を打たねばならないと言われて久しい。しかし中々有効な手段がないようだ。

 動物などは生殖の時期が決まっているようで、その時期になると雄も雌も必死で配偶者を探して、子孫を残そうとする。異性を引きつける能力の個体差はあるようだが、独りで生きるのを選択する個体は居ないように見える。なぜ人間には結婚という形態ができ、独特の配偶者を選ぶ手続きが出来上がったのだろう、不勉強でよく知らない。そうした形態や手続きが、どの程度生殖の支障になっているのか、とにかく独り身を選ぶ人が増えている。人間の生態と生殖の研究分野から、少子化対策に何か提言はないものだろうか。

 一寸脱線したが、男が思うほど出産は楽な仕事ではない。英語ではlabourと言うくらいだ。勿論、中には本当に安産の人も居るが、殆どの女性は大変辛い思いをしてお産をしている。空威張り男に出来る仕事ではない。華奢な女性が必ずしも難産というわけではないが、印象としてはこのか細い身体でよくと思ってしまう。飛躍しているようでも、そこに性の不思議を感じる。生と性は表裏一体、薄い皮膜の間に鬼も十八という遠くて近い世界が広がっているようだ。 

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何だかなあ、伝染する手法

2017年07月19日 | 政治経済

        

 親分の誤魔化す体質は感染するらしい。稲田防衛大臣はPKO部隊の日報隠蔽を自ら了承しておきながら*、白々しくも「改めるべき隠蔽体質があれば私の責任で改善してゆきたい」と答弁している。高々一年前の森友用土地の法外な安売り記録の異例早期廃棄、ないと否定していたのに出てきた文科省の加計学園獣医学部設置指導の文書など、眺めればシャーロックホームズでなくとも、隠蔽工作が行われたことがわかる。

 (*報道に依れば、稲田防衛大臣は報告を受けていながらその内容を承知していないと答えているようだ。言語不明瞭意味不明瞭の人物が防衛大臣とは。)

 首相自ら出席し説明するという予算員会の骨抜きになぜ竹下国会対策委員長は躍起になっているのか、どういうことと聞きたくなる。首相得意の大見得を切る立て板に水の言葉の羅列では説明にならない。それでは自ら説明したという免罪符を得るための芝居に見えてしまう。証人を招致し、質問に答える形でなければ、説明責任を果たしたことになるまい。

 いつまで森友加計かという疑問には、きちんとした説明があれば二週間で片付く問題を隠蔽し誤魔化すから長引いている。これがそれほど大きな問題かという疑問には政治手法に関わるから大きな問題だとまるで野党のようにお答えしたい。外交や経済は安倍首相や安倍友達でなくても十分できる。今以上にできる可能性も大きい。安倍首相にしかできない百年前の日本という安倍理想郷に戻す野望に異論があるから、野党的な発言をさせていただいている。

 菅さんの守備力の凄さは認めるが、どこか筋が違っている。後藤田官房長官は国民を守った。菅官房長官は安倍首相を守っている。

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新聞のない朝は物足りない

2017年07月18日 | 小考

   

 今日は新聞が休み、私のような活字人間には物足りない朝だ。コンピュータ画面の文字は活字というより記号に近い感じがする。おまけに、その情報の半分が狭量な私見で、気に入らない人達を貶めようとするものが多い。程度の差はあるのだが、ワンパターンの意図的な悪口を目的としたものが溢れている。学識がありそうなコメントもあるが、お前は間違っている俺が正しいという基調は変わらない。どうもこうした論調には馴染めず、途中まで読んで止めることが多い。私にはネットは新聞の代わりにはならない。

 大統領を引き合いに出して申し訳ないが、どこかこうしたネットの情報はトランプに似ていると感じる。トランプはビジネスマンだから取引感覚で政治をしている、中々賢いという評論家も居る。確かに自分(一族郎党)が得をしさえすればよいという作戦には優れているかもしれないが、果たして世の中、自分が儲かれば良いで回ってゆくものだろうか。この辺りの是非は、とても簡単には論じられないと思うが、自分はトランプのやり方には違和感を覚える。患者さんを診ていても、そう感じる人の方が多いようで、ネットは世間を映していない。暇人と言っては失礼だが、なにか狭量な偏見に取りつかれて、キイを叩き続けている一群の人達が居るように思われる。

 残り少ない人生、世の中のことなど脇に置き、せいぜい楽しく過ごせばよいのにと言われそうだが、自分は馬の骨としても、李白ではなく杜甫に連なっているのかもしれない

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外国人記者の目を通して知ること

2017年07月17日 | 世界

           

 ウインブルドンでフェデラーが史上最多八度目の優勝を果たした。華麗なタッチ美しいバックハンドの素晴らしいプレーだけでなく、フェデラーは人間として素晴らしく、王者貴公子と呼ぶに相応しい。

 テニスと交互にBS・TBSの外国人記者番組を見た。日本世界のパワハラセクハラについて議論していた。豊田真由子議員の暴言音声が出ていたが、一部しか知らなかったのでここまで酷いものとは思わなかった。こんなことを言って暴力まで振るっていたとしたら言い訳が出来ない。国会議員のこうした秘書に対する扱いは日常茶飯事?という河村議員の発言もあり、一体国会議員というのはどういう人種なのだろうかと首を傾げてしまう。

 日本にあるハラスメントの一覧表が出ていたが、あまりにも種類が多く一寸被害者意識が過剰ではないかと思った。外国ではこれほどたくさんの種類のハラスメントはないようだし、言われた方も黙っているばかりではないようだ。パワハラの場合、叱責が必要な場合もあるわけだから、感受性の違いもありどこからパワハラか微妙だ。

 自分の知っている医師の世界にも上下関係があり、特に研修医の時代には指導医から叱責されることは経験もしたし見聞きもした。確かにそこまで叱らなくてもと思うことはあったが、落ち度があるわけだから「馬鹿者」くらいは仕方がないだろう。それに相性というのは何処の世界にもある。医者には負けていない強心臓も多いから、泣き寝入りは殆どなかったような気がする。

 驚いたのは外国人記者がみんな日本語が達者なことだ。これくらい言葉が出来れば日本のことをちゃんと理解しているだろうなと思った。バベルの塔を建てようとしたのは間違いだった。相互理解を深めるのには言葉が欠かせないものになってしまった。

 中国人記者が安倍首相は豊田議員と一緒と言ったのには驚いた。中国人記者に言われたくないとは思ったが、日本人記者にはここまで直截な表現は出来ない。

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