久しぶりに床屋に行った。実際には五週間なのでいつもと同じなのだが、ちょっと入院していたので久しぶりに感じた。いつもと同じですねと、うつらうつらするうちに完成。床屋というのは有難い、本当に良い気分になれた。余計なことを言わないご主人、私が無口なのでそれに合わせてくれる、少し痩せたのに気付いただろうか?。予約制で予約が面倒というせいもあるし、床屋大好きというわけではなく四週間おきにしようと思いながら五週間おきに通ってきた。これを機会に四週おきにしようかと考えた。
この床屋さんは亡くなったG氏が教えてくれた店だ。天井が高く清潔で閑静な造りで、テレビもラジオも新聞もない。手が空いていれば感じの良い奥様が髪を洗って呉れる。ご主人は微かに神経質なところがあるがきちんと仕事をする人だ。私より二十歳くらい若そうで、ちょっと不愛想な客と微かに神経質な職人が徐々に打ち解けて、今は歩ける間は通いたいという気持ちになっている。G氏のさりげない置き土産だ。