駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

丼物が好き、中でも天丼

2019年12月16日 | 旨い物

             

 

 遠い昔、新婚の頃思わぬ見入りがあった時、思い切ってフレンチレストランへ入ったことがある。何せ千円以上の物は食べたことがない学生生活を送っていたので、会計の時覚悟はしていたが眼が点になった。今では時々は高級店に入ることもあるが、カードで払うせいか万を超えてもこんなものかなとサインしてしまっている。勿論、高級店は最近は野菜まで何処の何とかという物を出すようになって美味しいと思うが、旨いとは感じない。私の中では旨いは安いとセットになっていて、二千円以上だとそのスイッチが入らない。そうしたことと関係があるのか丼物が好きだ。残念ながら鰻丼は値段的に高級になって旨いから美味しいに格上げされてしまった。幸い鮪丼は未だ辛うじて丼物のレパートリーに入っている。何丼が好きかと言われれば、中華丼天津丼エビチリ丼カツ丼ソースカツ丼親子丼玉子丼他人丼鮪丼狐丼焼き肉丼牛丼豚丼・・あるうちで天丼が一番好きだ。なぜかはよくわからないが、ご飯との相性が良く種に変化があるせいだろうか。

 どういうわけかさして違わない材料費だと思うが定食が丼になると二三割は安い。飯と上物が渾然一体となりタレが適当にご飯に滲みており、がさつにむしゃむしゃ食べても注意されないのが旨い理由ではないかと思う。唯、丼物はデートには向かない。古女房であれば問題ないが、「えーと」と何を話そうかとどぎまぎする相手と一緒に食べるのには間が持たない。

 天丼はカツ丼などに比べて店の差が大きいように思う。お値段は同じようでも何というかどことなく品が良い物から丼なもんだというような一寸くどい物まで色々だ。どちらも好きで、カレーと同じで残したいほど不味い天丼は滅多にない。申し訳ないが牛丼に比べるとチェーン店の天丼はややレベルが低く、年に一度急いでるときに食べる程度でもう一つの印象だ。衣がもう二つで、美味しく揚げるのには余程の訓練が必要なようだ。

 

コメント
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