駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

複雑は難題の原因となる

2019年12月18日 | 町医者診言

      

 

  昨日今日と異例に暖かい。患者さんと言い合うことだが、身体がこの変化について行けない。

 年末になり普段より問題のあるニュースが多いように感じる。池江選手退院など明るいニュースもあるが、暗い悪いニュースの方が多い。時間は連続して流れ、日本式に不祥事はご破算でと一端時を止め水に流してとは行かないので難しいことになりそうだ。

 ボーイング737MAXが生産中止に追い込まれた。これは米国経済大きな影を落とす。日本にも影響があるだろう。百万二百万円の機械ではなく十億二十億円の機械で、使われている部品の数も桁違いに多く広い裾野を持つため、世界的な影響が出てボーイング社そのものも低空飛行になる恐れが出ている。

 あれだけ大きく重い金属の塊を空に飛ばすには、気の遠くなる程複雑な設計と何十万という部品に精度の高い工作が必要で、空飛ぶ奇跡というほどの完成度が要求される。いつかは起きる不具合で、コメットを思い出す高齢者も多いだろう。何気なく使うようになったコンピュータも複雑の塊で、現にしばしば不具合が生じあちこちでトラブルが起きている。昔は故障を直すというと、分解して接触不良を治したり、緩んだ螺子を締め直したりだったが、今では直ぐ部品交換が主流で、下手をするともうこの機種は古いので新しいのに買い換えて下さいと言われてしまう。

 故障をすれば直ぐなんだと不平が出やすいが、こうした複雑な機械を直す脳力のある人の数は限られており、怒っても問題は解決しない。科学技術は優れていると言われている日本もこの分野の人材は払底してきており、次の手も上手く打たれていない。口ばかりで、国民よりも親分を優先して守るような政治家を交換するのが来年の国民の仕事だと申し上げたい。

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