駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

京都と東京、往来

2012年08月19日 | 小考

    

 南北ほどではないが、東西でも違いがあるのは地方色だろう。旅の大きな楽しみの一つに訪れた土地固有の風光と人物に出会うことがある。

 関東と関西の文化肌合いの違いは既に多くの人によって繰り返し論じられてきた。関東は東京中心で一括りにしてもさほどクレームはでない?が、関西は一括りにすると京阪神それぞれからブーイングがある。

 私は関西と関東の間に住んでいるので、どちらにも行く機会が多い。事細かに東京と京都の違いを説明するのは私の手に余るが、実感から代表選手を挙げて、端的に違いを露わにしてみよう。

 江戸っ子代表はドイツ文学者の高橋義孝先生だ。北大を東京から遠いのに嫌気が差して辞めたあと、九大名大の教授を歴任しながら東京を離れず集中講義で済ませたという先生だ。済ませたなどと書くと、どこの馬の骨か馬鹿者とお小言を食らうかな。確か、吉村昭のエッセイに先生が電車で席を譲られる場面が出てきた。何とも洒脱で東京というか江戸っ子を感じた。山口瞳や吉村昭も関西ではあり得ない人と思う。

 京都人代表は伊吹文明氏だ。よく知りもしないが、まあプディングの味は一口で分かるからと、京都代表に挙げさせていただく。

 例によって出過ぎたことを書いたかもしれない。

コメント (2)
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