駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

遠隔地にも思わぬ影響

2011年09月06日 | 世の中

  福島原発放射能拡散の問題は大きな悪影響を日本の社会経済に与えている。四百キロ以上離れた当地では直接の影響はほとんどないのだが、思わぬ災難?に直面している。

 看護師さんの一人が福島浜通り出身の方なのだ。震災直後は実家は山地で津波の影響はなく大丈夫と言っておられたのだが、放射能が拡散をし始め、一人暮らしのお母さんは村に居られなくなり、福島市内の息子さん(弟)の方にしばらく身を寄せておられた。現在は仮設住宅に住んでおられる。

 先日朝、「先生ちょっとお話があるのですが」。と診察室に入ってこられた。嫌な枕詞だ、そう言われていい話はない。

 「母が、どうも最近精神が不安定になってきたようです。様子を見に行きたいんですが、ご迷惑をおかけするので、来月一杯で仕事を辞めさせて欲しいんです」。

 「それは、本当に残念・・・、長い間ご苦労様」。と申し上げるしかない。何というか堅実実直な方で、大きな力であったのだが、今頃になってと、思わぬ影響に落胆している。

 これが事務系であれば補充が容易なのだが、看護師さんとなると適当な人を見つけるのは大変なのだ。困った、頭が痛くなってきた。

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