駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

素知らぬ暴力と犯罪

2010年11月26日 | 小験

 診療中に電話が掛かってくる。いくらは減ったのだがマンション株投資の勧誘である。明らかにそれと分かる電話は受付で断って貰っているが、横浜の鈴木さんからお電話と言われればひょっとしてMかと思うので出ると「わたくし**の何とかでございます。先生でいらっしゃいますか」。と投資勧誘の電話である。すぐ「結構です」。と切ることにしているが、診療を途切らせ電話代と勧誘員の給与を支払い、なんという法外なビジネスをしているのだろうかと思う。腹を立てて「馬鹿野郎」。などと切ると後で嫌がらせの電話が掛かってきたりすると聞くので、馬鹿野郎とは言わないがそう言いたいこともある。
 毎日十数通の郵便物が来るが、中にしばしばアンケートや調査票が混じっている。一瞥するだけで殆ど返事をしないのだが、中に役所や医師会関係のものが混じっていてこれには返答せざるを得ない。診療状況の調査や組織の運用への注文を聞いてきたりするのだが、意外に煩雑で手間を取り、私は医者だビリビリブッケンブーと文句を言いたくなる。事務仕事はそれを仕事にされている方にはさほど苦もなく時に楽しい作業で、つい微に入り細に入り凝ってややこしい書類を作り上げて悦に入っておられるかも知れないが、事務に不慣れな者には書類を読み込んで調べて書き込むのは苦痛だ。勿論、中にはH医師のように医師業に負けず事務能力に優れ、眼光紙背に徹し、回答の不備を突いてきた役所を逆にやりこめて、申し訳ありませんでしたと言わせたとほくそ笑む強者もいるのだが、これは例外。
 暴力に見えない暴力、それは時間強奪の勧誘電話とアンケート調査。目に見えにくい犯罪、それは情報漏洩だ。

コメント (2)
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