玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

集会のご報告

2005年12月28日 | 捨て猫の独り言
 師走の24日は風が少し強かった。西武新宿線のある駅で待ち合わせて2人でM先生のお宅を捜した。12月はじめにM先生を偲ぶ会を開いた。年内にM先生の奥様にその報告をすべきである。偲ぶ会の強力な推進者である先輩A氏の提案に私も賛成した。段取りはすべてA氏におまかせである。奥様とA氏との打ち合わせでこの日の私たち2人の訪問が決まった。

 花束はA氏が用意した。手ぶらの私が駅から花束を持つことにした。彼はカバンからお茶を一袋取り出した。奥様は 「何も持たずにお越しください」 と言っていたがこれぐらい常識の範囲内だろうと言った。Mさんが 「病院のお茶はまずい」 と生前言われたことがあったという。A氏はなにごとにも意味づけしたがるくせがある。メリハリつけるくせといってもいい。さほど迷わず30分ほどで目指すお宅を探し当てた。

 玄関からすぐのせまい応接間の本棚の前に何種類かの花に囲まれて骨壷と顔写真があった。その他は何もない。こうべを垂れるしかない。偲ぶ会にはもう一人の推進者がいる。私が彼からもらったメッセージ付きの一枚の写真を奥様にお見せした。 「先日は久しぶりで皆さんとお会いし、Mさんの人となりを偲びつつ、歓談できました。ありがとうございました。写真の出来はよくありませんが記念にお贈りします」 とある。 奥様はその12名の集合写真を 「しばらくお借りします」 と顔写真の前に置かれた。写真と写真が対面した。

 そもそもどんな契機でご夫婦になられたのかという不躾な質問をしてしまった。隣のA氏はさぞはらはらしたことだろう。奥様に軽やかにお答えいただいてほっとした。30分ほどお話して辞去した。寒い中を私たちが角を曲がるまでお見送りいただいた。この世はいつ何が起きるかわからない。集会のご報告ができて満足であった。帰宅すると遠い故郷の親父が20日ぶりに退院すると聞いた。

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