3日めは熊本県。島原港からフェリーで熊本に入る。乗下船のときはバスに乗り、あとは40分の船旅だ。熊本城見学のときは、うだるような暑さだった。熊本地震から8年が経つ。崩落した石垣の横に仮設の空中道路が続く。3年前に復旧したという天守閣に登った。熊本城の完全復旧までには、あと十数年かかるという。だから現在は特別公開だ。天守閣前の大銀杏が印象に残った。
旅の最中は、昼食を含めて約2時間の自由時間が設けられている。しかし宿の夕食・朝食をついつい食べ過ぎるので、昼食はもうたくさんということになる。どうしてもそうなる。熊本城から阿蘇に向かう途中の菊陽町は、台湾の半導体会社(TSMC)が進出して、にわかに脚光を浴びるようになった。関連企業も多く進出して地価が急上昇している。そのあおりで畜産農家やキャベツ畑農家などに、土地の貸しはがしや、人材の雇い負けなどの影響があるという。
阿蘇は世界最大級のカルデラだ。カルデラとは大きな窪地のことで、その窪地の内側にある1市1町1村に4万5千人が暮らす。バスはカルデラ内に入り、内牧温泉から935mの北外輪山の「大観峰」へと直登した。ここら望む阿蘇五岳はお釈迦様の寝姿に見える。山の上は強風が止むことなく寒さに震えた。思いがけずここで菊池市の銘菓「松風」を買う。薄さ1.2ミリの日本一薄い和菓子とも言われる。
別府へ向かうバスは杖立川沿いの小国町を通過した。杖立温泉とは聞いたことのある地名だ。北里柴三郎はここ小国町で、代々庄屋を務める家に生まれた。今年の7月3日には新札が発行される。その千円紙幣の肖像が北里柴三郎である。街にはその祝賀の看板が見られた。この日の宿は別府駅そばの「アマネク別府ゆらり」で、これも昨日の雲仙の宿と同じ開業二周年という。いつもなら情緒豊かな別府の街の湯けむりが、この日は強風で吹き飛ばされていた。
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