神社仏閣の建築修復の資金調達のための興行が「勧進」である。神社の祭礼に相撲が行なわれることが多く、いつしか営利目的で勧進相撲と称した興行が常態化する。私は大相撲の二つの聖地「回向院」と「富岡八幡宮」を訪れたことがある。旧両国国技館が建設されるまでは墨田区の回向院の境内で勧進相撲が興行されていたという。ここには力士の霊を祭る「力塚」が建てられている。また江東区にある富岡八幡宮は「江戸勧進相撲」発祥の神社と言われており、境内には「横綱力士碑」などがある。
大相撲春場所は29歳の関脇照ノ富士が優勝した。膝のけがで大関から陥落し、どん底まで番付を下げながらの大関復帰である。「痛いと言っても仕方ない。できることを精いっぱい、やるしかない」とこれからも膝に爆弾を抱えながらの土俵になる。36歳の白鵬は今年中に引退するだろう。つぎの横綱は膝に不安のある照ノ富士より、27歳の朝乃山というのが私の予想である。
応援している郷土出身の力士「明生」が敢闘賞の活躍だった。私の期待していた以上の成績である。今場所は役力士がすべて勝ち越して空きがなく、来場所の明生の番付は西前頭筆頭と思われる。北の富士の相撲解説は自由闊達で面白いけれど、明生の評価が低いのは私にはいささか不満である。明生はまじめに稽古し、研究熱心と評価する親方衆は多い。
25歳の明生から見た今後の大相撲勢力図を展望してみた。ライバルとなるのは28歳の翔猿、26歳の隆の勝、若隆景、輝、照強、24歳の貴景勝、阿武咲、霧馬山、翠富士、23歳の琴ノ若、21歳の豊昇龍、琴勝峰となる。明生には同じ立浪部屋で元横綱朝青龍を叔父にもつ豊昇龍との出世争いがいい刺激になっている。今場所明生が一瞬「外掛け」を見せた一番があった。これは豊昇龍の得意技である。
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