暮に年賀状10枚を投函したあと南へ青春18きっぷの旅に出た。10日間の年末年始の旅の最終日は1月3日になった。故郷の鹿児島からの帰りは当日シルバー割引券ねらいだ。空席状況を調べると3日の一番早い便に空席がわずかに残っているという。それ以降は6日までどの便も満席となっている。夜が明け初めた頃に空港に着いて、幸運にもその3日の一番早い便のチケットを購入することができた。帰宅すると届いた年賀状の中に珍しくも貴重なメッセージ性の強い一通があったので、それを記録しておきたいと考えた。賀状の主は昨年沖縄旅行をした4人のうちの一人である。
『あけましておめでとうございます 昨年暮れ、突然解散・総選挙があって、この国の権力はまたぞろ自民党に戻りました。なによりも問題なのは政治権力の正統性です。衆院で不信任案が否決されたにも係らず解散がなされ、最高裁が選挙権の不平等は違憲状態だと判決しているのに選挙が行われ、自民党新政権は生まれました。この選挙で自民党は惨敗した前回に比べ、比例区で219万票、小選挙区で166万票も減らしたにも係らず、得票率40%台で約80%の294議席を得ました。自民党に投票した人は有権者の、選挙区では24%、比例区で15%でした。議席が民意を反映せず、基本要件に欠け、議会制民主主義の前提が崩れています。この政権は民意であるフクシマの徹底的検証ではなく、原発維持に戻り、東アジアの「反日」気運を梃として、戦争の出来る仕組みとそれを補完する教育体制を作ろうとしています。また、この民意をゆがめて反映する国会で、国民のものであって議員のものでもない憲法をいじろうとしているのはとんでもないことです。そもそも、日本国憲法99条に照らして、国会は「この憲法を尊重し擁護する義務」を肝に銘ずべきです。しかし、議会制民主主義が機能しなければ、主権者である私たち一人ひとりが、自ら直接意志を表明し正していくしかない。 皆様のご活躍とご多幸を心より願っております。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます』
急に書き込まれたらしく最後の行につぎのことが印刷されていた。
『2012年大晦日 毎日新聞 社会面は元成蹊高校青柳知義先生へのインタビュー 「教え子 安倍君へ」を掲載しています。ぜひ一読を』
青柳氏も昨年の沖縄旅行の4人のうちの一人である。
安倍氏の発言「民主党は日米関係をもてあそんだ」「民主党の予算は水ぶくれ」という物言いに、青くささ、器の欠如、石原氏なみの言葉の粗雑さを感じるのは私だけでしょうか。他の苦労をわかったうえでの批判でなくてはなりません。倫理の基本です。