殺風景の庭にネリネと山茶花だけが艶やかです。「アジアの文化と共生のかたち」 という新聞広告が目に入りました。東洋大学では共生学の構築という研究プロジェクトを設置し、共生の原理・理論、共生をめぐる諸問題の分析、共生社会実現のための方策の検討などを総合化した 「共生学」 の確立に力を尽くしてきました。東洋の思想の中に流れる自然、融和、仁愛、あるいは慈悲などの精神を 「哲学」 にまで高めて、共生のあり方を探ろうと活動しています。20日の午後1時からの会に参加することにしました。よくも大風呂敷を広げたという印象をもちました。
午前中は巣鴨のとげぬき地蔵と六義園を見物することにしました。おばあちゃんの原宿は年寄りグッズの揃った商店街でした。とげぬき地蔵尊があるのは高岩寺という曹洞宗のお寺です。本堂には一月に封切られる道元を主人公にした 「禅」 という映画のポスターが掲示されていました。境内には洗い観音を白い布で洗う人の列が目立ちます。六義園(りくぎえん)は江戸時代に作られた和歌の趣味を基調とする回遊式築山泉水の大名庭園です。明治になって三菱の岩崎弥太郎の別邸になり昭和13年に東京市に寄付されています。兼六園とは異なる方式の雪吊りがありました。
東洋大学の創立者が井上円了であることを知りました。勝海舟は哲学の大学を創ろうとする円了の情熱に百円もの大金を寄付し、その後も亡くなるまで円了への激励や支援を惜しまなかったといいます。また円了は明治時代の迷信が近代化の妨げになることを憂慮し、当時の日人々が理解できない不思議な現象を調査、研究して 「妖怪学」 を確立しました。輸入学問でない哲学を教えたいと思っていたようです.
シンポジウムは基調講演をロベール教授(フランス国立高等研究院・仏教思想史)が40分行いました。15分休憩のあと、シルク教授(オランダのライデン大・仏教学) 馬渕教授(学習院大・儒教) クリーマン教授(コロラド大・道教) 渡辺教授(東洋大・インド哲学)の4教授からそれぞれ20分の講演がありました。どの論者も共生というテーマには四苦八苦していると感じました。人を煙にまくためにはより饒舌になることが必要と思いました。ロビーで20分のお茶の休憩のあと、アンケートをもとに総合討論に入りましたが短時間で終わりました。優秀な進行役も会を締めくくるのには苦労されていました。年明けの私の読書は仏教関係になりそうです。
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