玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*除染

2012年03月17日 | 捨て猫の独り言

 くしゃみ、はなみず、鼻詰まりの季節になった。日本では杉の花粉が2月から4月の間に飛散する。花粉によってひき起こされるアレルギー性鼻炎だ。これはなかなか治らない病気である。私の場合には重症化にいたらず、耳鼻科専門医のお世話にならずにすんでいる。花粉症は季節性のものでしかも症状が目に見えるが、福島原発による被爆は不気味で深刻な問題だ。

 花粉症対策としては外出時は花粉が付着しにくい表面がすべすべした素材の上着を着るように心がける。帰宅したら花粉をよくはらい落すようにし、花粉を家の中に持ち込まないように努める。それでも入ってくることはさけられないので、いつもよりこまめに掃除して除去する。洗顔、手洗い、うがい、鼻かみも励行するといいらしい。十分な睡眠と適切な食事・運動によって人間の自然免疫力を高めるのが一番かもしれない。

 退職して久しい技術者が少人数の酒の席で問わず語りに今回の原発事故について話した。人体への影響度合いを表す単位がシーベルトであり、放射性物質の放射線量を出す能力を表す単位がベクレルである。電源が失われ冷却不能になれば原発が爆発するの必然で、これは現場の人間には常識的なことであった。放射能がまき散らされた一部地域では帰還は永遠に困難だろう。使用済み核燃料の安全な処理方法を日本は確立せずに原発稼働に踏み切ったと言える。たとえば地下深くの岩盤に数百年にわたって保管するなどの計画を聞かされたことはない。

 「核燃料サイクル計画」というのがある。青森県六ケ所村にある再処理工場で使用済み核燃料棒をせん断し、強い硝酸で溶かして処理する化学工場だ。非常に難しい技術でトラブル続きのようだ。ウラン、プルトニウムを取り出し新たな燃料にするのだという。それを使う予定の福井県敦賀市の「高速増殖炉もんじゅ」も事故で実用化のメドは立っていない。ところで吉本隆明氏は「原発放棄は人間が猿から別れて発達し今日まで行ってきた営みを否定することと同じ」と発言している。またある科学者は安全な原子炉ができるにはあと200年かかると話している。

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