玉川上水を西へ金毘羅橋を目指して歩いた。この日は17000歩。週に一度、自宅から東西南北の4つのコースを順ぐりに2時間以上かけて歩く。春分を境に昼の長さが長くなり、冬枯れの景色の中で桜が咲き始め、つぎに清明の季節になると身の回りは「花と若葉」に劇的に変化する。
若葉のトンネルの中を、ときどきマスクを外しながらひたすら歩く。目につくのは、ヤマブキや群生するハナニラ、ダイコンバナだ。ことのほか暑い日で、途中で上着を脱いで半袖の下着姿になる。タンポポやタチツボスミレが咲き競う。群生するニリンソウに出会うとうれしくなる。
金毘羅橋すぐ近くには私だけの聖地がある。そこでは、私以外に参拝する人を見かけることがほとんどない。市販の地図にもネットで検索にも出てこない。ある旧家が私的に管理している。ミニ富士浅間、金毘羅、秋葉神社があり、山、海、火の神が祀られている。手入れが行き届いて、なんだかすがすがしい気分になれる。
境内には、シロヤマブキ、シャクナゲ、ツツジ、シャガが咲いていた。ツツジは小高い斜面をこんもりと覆うには適している。帰り道でウグイスの鳴き声に気づいたり、キンランを見かけたりした。また庭先でみごとにフジの花を咲かせている家もある。玉川上水沿いの住宅では冬にはコナラ・クヌギの大量の落葉、今の若葉の頃にはクヌギ・コナラ大量の雄花のかたずけに追われる。
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