玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*医療現場

2024年02月19日 | 捨て猫の独り言

 こんな記事を読んだ。「膝が痛い」と病院を転々とするも治らぬ夫、医師は2週間後には治っているはずと豪語したそうだが、その気配は全くない。多少の医療知識を持つ妻の私が付き添って、当日一緒に診察室に入り、脇の椅子に座った。だが医師はパソコンに向かったままで、私を一顧だにしない。それどころか、夫の膝も診ずに次回の予約を入れようとした。ところで、この記事の筆者の提案は「医学部入学選抜はくじ引きに」だった。

 養老先生がつぎのように指摘している。「問題はむしろ人間がどんどんAI化していることですよ。もはや統計やデータが現実になってしまっている。医療現場では随分前から、医師は目の前の患者の肉体なんて見ていない。診察室でもカルテとパソコンの数値をひたすら眺め、統計の正規分布の両端だったら異常ですなんて言っているんだから」

 東京慈恵医大は宮崎出身の高木兼寛によって創立された。病院には兼寛が残した「病気を診ずして、病人を診よ」という標語が掲げられている。最終の目的は病気を治すだけでなく、病気を持った患者さんの苦しみをなくすことだ。医学的力量だけでなく、人間的力量を兼ね備えた医師を育てたいという思いがこもる。

 幸いにも、私の膝は2週間経過したあたりから痛みがやわらぎ、快方に向かった。痛みの原因は腰にあるとの説明を受けた。年末に過激に鋸を引く作業をしたのが原因かもしれない。この種の痛みは2週間の辛抱が相場のようだ。この経験のあと、この世には足が痛そうに歩いている人がいかに多いかに気付いた。

コメント
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