3月21日のWBC準決勝、日本対メキシコ戦は手に汗握る熱戦だった。好ゲームだっただけにヒーローは多いが、私は7回裏の同点に追いつく3ランホームランを放ち、8回表は相手のこの回3点目を阻止するバックホームを決めた、4番吉田選手の活躍を一番に挙げたい。今シーズンからボストン・レッドソックスでプレーすることが決まっている。
翌日はWBCの決勝戦の日、そして東京では桜が満開になったと報じられていた。WBCも気がかりだったが昨日の試合だけで大満足、それに明日からは雨の日が続く。桜の名所は数々あれど、都電荒川線に乗り、初めての飛鳥山公園での花見を計画した。まず高田馬場から早稲田正門行きのバスに乗る。大隅講堂の裏手にある庭園はこの日は解放されていなかった。
ここから都電の始発駅「早稲田」までは歩いてすぐだ。3歳ぐらいの男の子を連れた白人の母親が電車に乗ろうとしてなにやら注意を受けている。運転手さんは、そのキックボードはこれに入れなさいとビニール袋を渡した。スケートボードや三輪車は袋に入れるという決まりである。運転手さんが手を振り、あの白人の親子連れは途中の「飛鳥山」で降りたが、私は終点の「三ノ輪橋」まで全区間乗ることにした。
荒川線の停留所は30ヵ所あり、全区間の所要時間は60分だった。三ノ輪橋界隈を散策して、再び都電に乗り「王子駅前」まで引き返す。ここで安い定食屋の「晃正」を見いだしてちょぴり幸せな気分になる。近くの音無親水公園では桜の木の下でのんびり食事などしていい雰囲気だ。ここから明治通りをはさんで向こうの小高い丘が飛鳥山公園だ。そこでは大勢の子供たちの元気な声が響いていた。ぽかぽか陽気の中をこの日3回目の都電に乗り終点手前の「面影橋」で降りてこれは2度目となる神田川沿いの桜見物をして帰る。