玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*「あなたと短歌」

2021年11月18日 | 捨て猫の独り言

 「知花くらら(39歳)」は「安室奈美恵(44歳)」ほどその名は知られていない。どちらも沖縄出身である。永田和宏と知花くらら共著の「あなたと短歌」を読んで知花の多才ぶりに驚かされた。週刊朝日に連載された「知花くららの教えて!永田先生」から生まれたそうで、短歌の入門書にもなっている。

 2006年の上智大学卒業の年に、ミスユニバース大会で総合2位、2007年国連WFPオフィシャルサポーターに就任、2015年の大河ドラマ「花燃ゆ」の最終回で津田梅子役で女優デビュー、永田和宏・河野裕子の「たとえば君」を読んだことをきっかけに短歌作りを始め、2017年角川短歌賞で佳作(50首)、2019年に初の歌集「始まりは、恋」を刊行。2021年京都芸術大学建築家を卒業。

 

 河野裕子が死の前日に詠んだという「手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が」について知花は「つらい経験の最中にいるときは、どうしても感情が生々しすぎるのかうまく言葉が見つからなかったです。死の淵にいてどうしたらこんなすごい歌が詠めるのか」と質問している。

 それに対して永田は「あまりにも自分の目の前にあるものが圧倒的な力を持っていると、何も見えなくなってしまうし、言葉も出てこなくなる。でも歌を作るときは一歩外に出て、自分を見る感じになるんですよ。そのことによって状況が見えやすくなる場合がある。歌を作るのは、実際の生活にもう一つの視点を取り入れて、風通しをよくするという効果もあると思う」と答えている。

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