玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*漢字練習

2020年03月02日 | 捨て猫の独り言

 我が家の確定申告の担当者は元号だと混乱するので西暦に統一できないものかと、この時期になるとボヤキが激しくなる。それはさておき、毎年届く回顧川柳の軟茶亭氏からの年賀状は「庚子(2020)元旦」というスタイルで一貫している。干支(えと)の「庚子」は「かのえ・ねの年」と呼ぶのだろう。元号を使用しないところに差出人の遊び心を感じる。

 私は退職後に小寒、大寒、立春と始まる二十四節気の区切りに親しみを覚えるようになった。そして、これまであいまいな理解ですませていた「十干十二支」について調べてみた。中国では古来「木、火、土、金、水」を五行と呼び、万物を組成するもととなる「気」と考えていた。五行をそれぞれ陽の気を表す兄(え)と陰の気を表す弟(と)に分けたのが十干である。

 例えば「木」の陽の気は「きのえ」であり、陰の気は「きのと」となる。それぞれに当たる漢字は、きのえ(甲)きのと(乙)、ひのえ(丙)ひのと(丁)、つちのえ(戊)つちのと(己)、かのえ(庚)かのと(辛)、みずのえ(壬)みずのと(癸)となる。「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」と十二支「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」「鼠牛虎兎竜蛇馬羊猿鶏犬猪」などの漢字を書いてみるのも楽しい。

 最初の組み合わせが甲子(きのえ・ねの年)である。干支は10と12の最小公倍数60毎に元に戻る。そこで60歳を還暦という。672年の壬申の乱(みずのえ・さるの年)、明治元年の戊辰戦争(つちのえ・たつの年)、1911年の辛亥革命(かのと・いの年)は多くの人が知る。芭蕉の「甲子(かっし)紀行」、別名「野ざらし紀行」は1684年(きのえ・ね)の作句旅行にもとづく呼び名だ。ちなみに1689年の「奥の細道」は己巳(つちのと・みの年)である。

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