玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*22日の薬用植物園

2019年09月26日 | 玉川上水の四季

 ある実験のことを読んだ。アルバイトの学生を被験者として外界からの刺激を遮断した状態を二日続けたところ、被験者は三日目にはきわめて暗示にかかりやすくなり、2+2=5と教えられるとすぐに自分の正答をひるがえして誤答を信じ込んだという。これは外界から切り離された意識がどれほどもろいものかを示すものだ。退屈で、しかも何をする気にもなれないときは外へ飛び出すに限る。外からの刺激で意識は活性化される。

 22日は台風17号で西日本は大荒れだったが、東京地方は日中は平穏だった。大相撲の千秋楽の中継が始まる前に薬用植物園に出かけた。自転車で15分かかる。つぎの日は「春分」と同じく昼夜の長さが同じになる日の「秋分」である。これからしだいに日が短くなり秋が深まる。あちこちで彼岸花が姿を見せている。(里芋の花と紫苑)

 

 秋に収穫される里芋は稲作より古く日本に入ってきていたという。そこで芋煮会というのは、そもそもは豊作に感謝する行事で各地で催されてきたものという。この日の植物園の入り口には「サトイモの花開花中」のお知らせがあった。仏炎苞とは肉穂花序をとり巻くラッパ状の大型の総苞のこと。玉川上水緑道で初夏になると見かけるウラシマソウとか、写真でよく見るミズバショウのあれである。(ナタマメ)

 

 背の高い2m近くにもなる草から紫の花びらに中心が黄色い花を咲かせるシオン(紫苑)が大きく風にゆれていた。平安時代から薬用や鑑賞に親しまれてきたという。キンモクセイと違って、街中で見かけることが少ないギンモクセイが甘い香りを漂わせていた。そのほかにはハギ、オミナエシ、スイフヨウが咲き、クズの花はしおれていた。ナタマメが実りその花も見ることができた。暗くなってから雨が落ちてきた。明日は強い風が吹くという。

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