知人から届いた「白日会展」の招待状を手に国立新美術館に出かけた。入り口で受け取った出品目録はあとで見ることにして、まずは会場の膨大な作品群を一通り急ぎ足で見て回る。スマホならもっと楽だろうにと思いながら、デジカメで気になる作品を撮影する。30ある区画の一つでは、第95回記念特別展「白日会中興の祖ー伊藤清永展」があり、代表作20点が公開されていた。この区画だけは撮影禁止と警備員に注意を受ける。
目録を見ると、会友の緒方かな子(広島)の作品「いつも隣で」は第9室だという。言わずと知れた広島カープ緒方監督の夫人である。その隣には韓国から一般入選の孫美良の作品「I was dancing」が展示されている。これは光がうまく描かれていると思う。無印は入選作品、△は会友、〇は準会員、◎は会員である。この区画には会員の作品「薫風」「cage 」「 Music」「 birth」などが並んでいた。
第12室には、会員の塩屋信敏(鹿児島)の「桜島」がある。この方は知人の中学の後輩にあたる。その関係で白日会展の招待状が私の手に届く。この区画には鹿児島の会員の堀之薗光一「卓上の航海灯」同じく池畠昇「桜島」がある。「桜島」は他に1点あったので桜島は合計3点ということになる。
さて今回の特別展で洋画家・伊藤清永(きよなが)をいくらか知るところとなった。YouTubeで公開中の白日会制作動画を見た。裸婦を生涯のテーマとしたという。2001年90歳で没した。曹洞宗の寺の三男として育ち、愛知学院大学の教授、51歳のときフランスとオランダに滞在し制作。その後「伊藤の裸婦」として高い評価を受ける。その一方で愛知学院大学講堂に7年がかりの巨大油彩壁画「釈迦伝四部作」を73歳のときに完成。1986年より白日会会長を務めた。