関東の梅雨入りが今年は6月8日で、例年の梅雨明けは7月21日だから、関東の梅雨はほぼ43日ということになる。日本は四季の国ではない、雨期のある五季の国だという人もいる。玉川上水には、この時期に甘酸っぱい香りの白い樹液を分泌しているクヌギの木がところどころに存在する。そこにはクワガタ、カナブン、ルリタテハ、スズメバチなどの昆虫が集まり、子供たちの注目の場所となっている。
先週末に玉川上水のいつもの場所に心待ちしていたヤマユリが咲いた。木の茂みに隠れて気づく人は少ない。下の孫娘の名は「りり」という。「リリ」の花が咲いたと教えると得意気だ。その上流の右岸にはムクゲも咲き出した。テニスコートのネムの花は盛りを過ぎた。長い期間咲き続ける庭のサルスベリがポツンと一か所だけ赤い花を咲かせた。
お天気博士の倉嶋厚さんは「人間は大気の海の底に住む海底動物だ」と書いている。九州では大雨が続いた。大気の織りなす営みが時に慈雨となり、時に暴風雨などの禍となって「底」に暮らす人の頭上に下りてくる。我家の小さな留学生が滞在する時期は、毎年この日本の梅雨の時期である。蒸し暑い日本という印象が強く残ることだろう。先週からプールの授業が始まったが中止になることもしばしばだ。
昨年は宿題をすませてから遊ぶ習慣ができていたが、今年は学校から帰ると二人ともすぐ外に飛び出す。また昨年は姉の友だちに妹がくっついて遊ぶことが多く、できるだけ別々に同じ学年同士で遊んで欲しいと願ったものだ。ところが今年は2年生の妹の友達に姉が合流して遊ぶことが多くなった。その妹は学校で涙を流し、周りの友だちに心配をかけることがあるようだ。まだ自分のことを「りりちゃん」と言っている。