玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*水仙

2014年01月01日 | 捨て猫の独り言

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 大晦日の夜は少し違った過ごし方になった。NHK第2のカルチャーラジオ日曜版のアンコール放送を寝床で聞いた。6月に放送されたものである。1回が60分の4回分をなんと一挙放送である。講師は「夏休み子ども科学電話相談」で「京都弁の先生」として好評の甲南大学教授の田中修さんだ。タイトルは「植物って、すごい!逆立ちしてもまねできないしくみ」である。なかなか興味深い話が続いて3時間連続で聞き入ってしまった。その後20分の中断があり少しテレビの紅白を覗いたりしてラジオの4回めは聞くことなく終わった。

 ラジオを聞いて記憶に残ったことが二つある。一つは無洗米のことである。田中さんの言う通り私は無洗米について誤解していた。寒い時など冷たい水で米を研がなくてもいいように手抜きしたい人のためのお米だとばかり考えていた。これまで普通の米をせっせと買い続けてきた。米を研ぐのは糠を落とすためであるが、そのことで旨味成分も洗い流しているのだという。これまで水を浪費し、旨味成分を捨てていたことになる。もう一つはレンゲ畑のことである。タンポポは雑草だがレンゲは種をまいて育てていたものである。レンゲは成長したものを土の中に戻し貴重な稲の栄養源(緑肥)としたのである。それが化学肥料になったのは田植えの機械化が原因だという。ここではその因果関係を皆さんに想像していただこう。

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 久しく部屋に花を飾ることがなかった。近隣の方から暮に水仙の切り花をいただいた。その方は隣りのそのまた隣りの家の前まで道路掃除に出かけたり、暑い夏には他所の庭の草花に水遣りをなさるという方である。10月に70歳前半だった御主人を亡くされたばかりである。かなり気落ちされているはずで、お花を届けなければならないのはこちらの方なのにと思う。その水仙は年内にはつぎつぎに花が開き終わって甘い香りが部屋を満たしている。水仙をこのように味わったということは、あまり記憶にない。清々しくていいものだ。ネットの力を借りて水仙を詠んだ短歌を調べてみた。その中から三首取り上げてみる。

「真中の 小さき黄色の さかずきに 甘き香もれる 水仙の花 (木下利玄)」   「胸のうち いちど空にして あの青き 水仙の葉を つめこみてみたし(前川佐美雄)」   「水仙の うつむき加減 やさしくて ふるさとふいに 思う一月(俵万智)」 これらの中で私の好みは厚みを感じる二首目である。ちなみに水仙はヒガンバナ科という。そういえば葉の形状が似ている。(写真は12月1日狭山湖にて)

コメント
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