玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

61)船内医療アラカルト

2006年08月28日 | ピースボート世界一周

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 診療室は5階にあって、自室へ往来するさい日に何度となく傍らを通り抜けた。営業時間は9・30~11・30と14~16時になっていて、ドアーは開かれていたが中は覗けない。待合室はドアの前にあってたまに1~2人は見かけたが閑散としていて、それはそれで良い事であった。(珍しいものや安いものが多かった青空市場)

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 船会社の幹部(殆んどがヨーロッパ系)と共に船医として紹介されたのは、日本人でイギリス在住のDrであった。ナースは2人(キャップなしの白衣)見かけたようだったが自分がお世話にならなかったから不明。船内ではDrならではの講座も催されていたが、私は他のメニューの方に興味を持つ事が多かったので、内容については之もまた不明。(老紳士)

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 船会社の職員は別に(時間をずらし)食事を摂るルールがあったが、Drは毎度乗客である皆と歓談しながら食事する事を好んでいた。ダンスもまた然りであった。ダンス場は愛好家達の独占場様を呈するようになって程なく私の足も遠のいてしまったのだが、それでも私が顔を出した限りにおいては見えていた。さすがに外国仕込みと思えるマナーで相手を誘い、教えて下さっていた。(寄港地で、対岸に緩やかに沈んだ夕陽)

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 私の見聞した医療問題では、いずれも日本から一番遠いペルー・チリ界隈で、体調を崩した老婦人を下船させ家族へ引取りを依頼した例と、同室者も同様に勧告されたが「頑張りとおしました」と本人自身が表明した老婦人。腕の骨折を現地の病院でギブス固定した御婦人。歯痛をこらえ通し寄港先で抜歯した紳士。チリを真夜中に出航したものの、病人発生で乗客が就寝中にチリまで引き返した旨のアナウンスが朝食のお知らせと共にあった。(早朝の太極拳、時差調整で暗い時もあった)

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 後日談になるがギブス固定された御婦人は帰国後X線の結果、手術下での固定を奨められ手術をしたと試写会の席で本人から伺った。その他気になる事例もあるにはあったが知りようもない。(自主企画によるバイオリン独奏会 全くの独学だという)

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 時は自己管理、自己責任の時代に入った。金融機関にいれば金が貯まる訳ではない。金融の知識が付くだけだ。病院の職員であっても病院が健康を守ってくれる訳ではない。検査の機会が多いだけだ。長い船旅では初歩的な診療以外は、どう判断すべきかDrはジャッジを必要とされる程度なのだろう。現地では時間、言葉、医療環境の問題などあるので、帰国後の対応が大事。気になることがあったら何はさておき先ずは病院に行く事だろうか。ー線はクリックで関連記事へ飛ぶ。

 

コメント
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