この日の真っ白な富士山は、空気が澄んでいる影響なのか、いつもよりも大きく近くに見えた。
ズームレンズに交換すると、斜面を転げ落ちた雪の跡がはっきり見える。この頂に陽が沈み、ダイヤモンド富士が観察される冬至も近づいている。
きょうもキジョラン(鬼女蘭)はお預けで、昨日のテイカカズラ(定家蔓)に続き登場するのは、綿毛を持ったオオカモメヅル(大鴎蔓)である。高尾山では同じ仲間の、コバノカモメヅル(小葉鴎蔓)もあるが、花はよく見るが種子に合うことはめったにない。
鴎の翼のように鞘を広げ、中から綿毛の付いた種子がのぞいていた。
コバノカモメヅルとの相違は、葉や花で区別できるが、あいにく葉もすでに落ちていた。コバノカモメヅルでなく、オオカモメヅルと断定するのは来年に持越しである。
出し惜しみをしてきたが、次回がキジョランである。はたして髪を乱した鬼女に逢えるか、乞うご期待を。 (高尾山)