難読漢字の例題によく出てくるが、「蕃瓜樹」でパパイアとはとても読めないで、そのまま「バンカジュ」である。「蕃」は草が生い茂るとか、野蛮の意味があるようで、「蕃瓜」で野蛮な国からきた瓜の意味らしい。日本に渡ってきた明治初期の、野蛮な国とはどこであろうか。西瓜(スイカ)、南瓜(カボチャ)、南蕃(ナンバン)など、みんな使われていたので、この漢字を当てたのか。
寅太が樹木の名前を決める関係者なら、英名Papayaの読みをそのまま漢字に置き換え、「父親嫌:パパイア」とする。では名前の由来はと聞かれたら、「父親の留守に食べようとしたのを見つけられた果物」、これくらいでよいのではないか。
ところで芸能界にパパイヤ鈴木がいるが、これは果物からとったのではなく、語呂がよいからとのこと。彼が有名になればなるほど、パパイアではなくパパイヤが一人歩きし、困ったものである。
相模原公園の温室では1年中花が咲き、緑色の大きな果実が育っていた。
アメリカ原産の常緑高木で明治初年に日本に渡来した。別名チチウリノキ(乳瓜木)、モッカ(木瓜)。
長い葉柄を持ち、掌状葉で互生する。乳白色の5弁花をつけ、花後、芳香のある果実が橙黄色に成熟する。雄株と雌株そして両性を持った株があり、雌株には受粉をしなくても実がなるものが多い。
花期:温室では1年中。
(神奈川県立相模原公園)
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