Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

『原子力に関する会議 in Canada』の記事から

2012年04月13日 | 原発・核・311

以下、JBpressの記事から。

JBpress (2012.4.13)

「福島原発事故から1年」 

カナダからも発せられる危機感

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34963

福島第一原子力発電所の事故から1年が経った311日、サイモンフレーザー大学ダウンタウン校で、原子力に関する会議 "The Fukushima Nuclear Disaster One Year Later" が開催された。主催はフィジシャンズ・フォー・グローバル・サバイバル。

 福島原発事故を振り返り、さまざまな角度から原子力発電、または原子力を検証する会議となった。テーマは大きく分けて3つ。原発事故に対する一般的な考察、カナダとの関係、日本からの報告。前日には東日本大震災当時、東京に滞在していた経験をまとめたドキュメンタリーフィルムも上映された。

福島事故の対する一般的考察

福島事故と1986年に起こったチェルノブイリ事故とを比較した講演を行ったのはアーノルド・ガンダーソン氏。エネルギーコンサルティング会社フェアウィンズ・アソシエイツのチーフエンジニアで、原子力産業界で原発の安全性に疑問を投げかけていた元幹部、スリーマイルアイランド事故の調査では専門家証人を務めた経歴を持つ。

 講演の中でガンダーソン氏は、両事故の違いについて、チェルノブイリは2週間以内に放射性物質の放出が止まったが、福島は1年経った今でも放出し続けていること、原子炉心がチェルノブイリは1つだったのに対して、福島は10あることを指摘した。類似点は、どちらの場合も、政府による情報隠ぺいが行われたことを挙げた。

 福島事故の長期的な影響の可能性については、第1に経済的な負担が38兆円に上ること、第2に今後20年間でガン患者が100万人増加しその他の健康被害も予想されること、第3に焼却による放射性物質の飛散は事態を全国規模に拡大し悪化させることを挙げた。

 チェルノブイリか福島かどちらが最悪のケースかという問いにはどちらも最悪と答え、「自然災害だろうと人災だろうと誰も最悪の事態を予測することはできない。原子力エネルギーは財政的にも環境面でも国を滅ぼす可能性を秘めている技術だ」と締めくくった。日本は再生可能エネルギーを主とする国造りを先駆者として実現できる高い技術を持った国。それを将来に活かしてほしいと希望を語った。

カナダとの関係

原発事故の影響はカナダ、特にブリティッシュ・コロンビア州で見られる。ノースバンクーバーに生育する海藻やバーナビーマウンテンに降った雨を調べると、311日以降に通常より高い放射性物質の値が検出されたという調査結果が発表された。

 また、カナダ側からの視点として、世界有数のウラン輸出国のひとつであるカナダの現状についても議論された。カナダのウラン採掘場でも福島事故と似たような現象が起きていると指摘。ウラン採掘にたずさわった労働者がガンなどで死亡しているケースが目立っているにもかかわらず、政府が正確な現状と数字を発表していないことを例に挙げた。

 カナダのウラン輸出を止めるには需要をなくすしか方法はないだろうというのが結論だった。ただ、福島の原発事故もカナダのウラン採掘場も同じような状況にある中で、お互いに協力し、世界中で同様の立場にある人々と連携して訴えることができるのではないかとの意見も出された。

 その他には、日本に大きな被害をもたらした地震や福島原発事故後にも、カナダ政府もブリティッシュ・コロンビア州政府も必要な対策を十分していないとの指摘も出された。

 リスクコミュニケーションという観点から講演したブリティッシュコロンビア大学のアン‐マリー・ニコール博士は、危機的状況における情報伝達について、正確な情報伝達のためには危機に対する技術的対応と精神的対応の両方が必要で、危険性や最悪の事態を否定した過剰な安心報道や共感の欠如といった、現在のメディアの情報伝達態度は基本的なところで危機下の情報伝達方法として誤っていると指摘した。

 こんなことをしていれば、政府機関への信頼が薄れ、科学者や管理システムにさえ疑いを抱くようになる。福島原発事故で日本国民が経験したことと一致する内容だった。

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記事の後半に、「カナダ原子力協会によると、原子炉は全国で20基あり、18基がオンタリオ州、ケベック州とニューブランスウィック州に1基ずつ建設されている。」とありますが、カナダは豊富な水力発電を持ちながら、原子力発電を持っています。

(皮肉なことに、「ウランを他国に売りながら、原発を持たないオーストラリア(しかし、確か原発建設を計画中であったと思います。)に比べて、カナダのほうが偽善的ではない」と、見方のよっては言えると思いますが、それはありがたくないことですね。

余談ですが、カナダは自国では使わない「アスベスト」を輸出したりしています。

『アスベストを途上国に輸出するカナダに失望』

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110701

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