Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

イタリアの友人

2007年11月18日 | 友人・知人

私が英語で文通を始めるようになったのは高校2年のとき。相手は1つ年下のイタリア人の女の子でした。

当時は今のようにEメールなどなかった時代です。やり取りは郵便しかなく、たとえエアメールでさえ、返事を受け取るまでに最短で2週間近くかかりました。

彼女は大変話好き。ネイティブではないので英語は完璧ではありませんが、いつも読む人を楽しませるための手紙を送ってくれました。彼女より数段英語力の劣る私は、そんな彼女に応えようと『高校生の為の文通ガイド』なる虎の巻と、英語の辞書を使って四苦八苦。しかし、結局大切なのは言葉より、伝えようと思う気持ちでした。

お互い不自由な英語ながら、家族、ペット、学校、イタリアの朝食、本の話・・・、そして大人になるに連れて、ボーイフレンド、進路、旅行、物価の話と内容も変わっていき、いつまでも話題がつきることはなかったのです。

しかし、まずは私の方が忙しくなってなかなか返事が書けなくなったことから、10年を過ぎた頃に、自然消滅のような形で二人の文通は途絶えてしまいました。

それから約15年たった一昨年の秋、私はイタリアに旅行しました。知人を訪問する為の旅行でもありましたが、これをきっかけに時々彼女のことを思い出すようになりました。

クリスマスカードを送ってみようかな-文通が途絶えてから大分月日がたっていたので、彼女の元にカードが届くかどうか確信はありませんでしたが、出してみる価値はあるはずです。届いたとき連絡をもらえるようにメールアドレスもカードに記しておきました。

そして翌年の2月になって、突然私のパソコンに彼女のメールが飛び込んできたのです。

懐かしい彼女から届く初めてのEメール。彼女はご主人と別居して、今は別の土地で暮らしている為、カードを受けとるのが遅れたとのことでした。

「あなたを忘れたことはありません。数年前に日本に大きな地震があったと聞いたとき、私は心配でたまらず、あなたに手紙を出しました。でも、その手紙が戻ってきてしまったのでずっと心配していたんです。また連絡が取れて本当によかった!」

(地震の心配は無用でしたが、)異国に住む友人がずっと私のことを気遣ってくれていた、それだけで、胸がいっぱいになりました。

今では、英語を大分忘れてしまったと言う彼女。確かに時おり気まぐれに届く彼女のメールは、昔と違って長くはありません。しかし、陽気で、エネルギッシュな文面は昔と変わらず、彼女のメールを受け取るたびに私はタイムスリップしてしまいます。

コメント
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