Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

ITERも不透明

2011年12月05日 | 国際協力・プロジェクト

東京新聞の今日の朝刊に、『仏で共同建設中の熱核融合炉・巨費投入「第2のもんじゅ」』という記事がありました。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2011120502000022.html

ITERについては嘗て記事にしましたが

(『ITERと第4世代核兵器開発』

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20090607 )

核兵器転用面だけ出なくて、いろいろな点で疑問があるもの。

(原発の問題とほぼ同じ。)

2011年4月の日経ビジネスに、元ITER事務局長を務めた池田要氏のインタビューがありますが、

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110415/219449/?rt=nocnt

このなかに、

各国は単に資金を負担するのではない。「物納」するところが最大の特徴の1つだ。完成した施設の価値のデリバリーに対する分担率が決まっている。EU45%、日本などほかの国は9%ずつだ。物納の世界だから、それぞれにコストは違うところがこの協力の1つの面白さだ。日本は超伝導コイルの導線など、非常に重要な部分を担う。東芝や日立電線など重電メーカーが参画している。”

という文言がありました。

ところで、茨城にはITERの研究所がありますが、311の震災で、大きな被害を受けましたが、2011年6月21日の原子力委員会定例会議で、

「大きく被災した建物が2つございます。1つが超伝導コイルの試験を行う装置が入っている建屋、もう一つは中性粒子加熱装置といってプラズマ性能を高めるための装置の試験を行う建屋です。」

と報告されています。

(参照:http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2011/siryo29/siryo10.pdf )

中性子が放出されたりしなかったのか、その可能性はないのか、と大変不安に思ったものです(本当のところはどうなんでしょう?)。

注:上記の東京新聞の記事と日経ビジネスの記事は、会員でないと触りの部分、または1ページ目だけしか読めませんが、一応目を通してみてください。特に日経ビジネスの記事はどうぞ。

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ベトナム・クアンナム省の水力発電とウラン鉱山

2011年10月13日 | 国際協力・プロジェクト

先日受けたベトナム原発とJBIC融資の件ですが、

(『ベトナム原発についてのメールを読んで考える-JBIC原発融資』

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20111009 )

この融資について考えていたときに、NPO法人のメコンウォッチの、こんな報告書をみつけました。

メコンウォッチ(200722日)

ベトナム・アーヴォンダム JBICは融資を断念

http://www.mekongwatch.org/resource/news/20070202_01.html

日本の国際協力銀行(JBIC)は、住友商事が発電機を受注して建設が進められているベトナム中部クアンナム省のアーヴォン水力発電ダム事業への融資を断念しました。

これは先週木曜日(2007125日)、JBICがメコン・ウォッチとの会合で直接語ったものです。JBICの説明によりますと、115日に実施機関であるベトナム電力公社(EVN)から融資の依頼を取り下げる旨、連絡があったということです。

JBICによれば、昨年1218日のニュース23TBS系)で、このダムに伴う移転地の地すべり、生計回復の困難さ、自然環境への影響について報道されたことを受けて、110日から3日間現地に調査団を派遣しました。その結果、ニュース23で報じられた地すべり箇所は概ね修復が終了し、生計回復に関しても問題はあるものの実施機関や地元人民委員会は危機感を持って対応を検討しているとの評価をしていました。その直後に、EVNから融資の取り下げがあったということです。

しかし、複数の関係者の話では、EVNからの連絡に先立って、JBIC自身が自然・社会環境面でのリスクの高さから手を引くことを事実上決めていたのではないかということです。EVNからの融資取り下げというのは表向きの理由と言えるかもしれません。

ではなぜJBICは「環境ガイドラインに照らし合わせて審査した結果、融資をしないと決定しました」と言わないのでしょうか。考えられる理由は、第一に、そう言ってしまうとEVNなど実施機関との関係を悪くする恐れがあること、第二に、融資をしない判断基準を具体的に明示せざるをえなくなることへの危惧があるのではないかと考えます。

しかし、もし環境ガイドラインを適切に運用した結果、融資できないと判断したのであれば、胸を張ってそう言って欲しいですし、そのことは公的金融機関としてのJBICの信頼を高めることにつながるはずです。また、JBICの適切な融資審査の結果としてではなくベトナム側から断ってきたことを強調することで、途上国政府が『日本離れ』をしていて、それが中国などの影響を強めることになるという主張にすりかえられる恐れがあります。

一方で、メコン・ウォッチとの会合で、JBICは問題はほぼクリアしていたと説明しましたが、つい最近現地を訪れたベトナム人研究者らの調査チームによると、以下に述べるように移転地はとてもそんな状況ではないようです。

与えられた農地では満足な収穫ができず、住民の不満は極限に達しています。3箇所の移転地のうち、最も状況が深刻なアルア再定住区では、水田が与えられていませんし、他の2箇所の再定住区も水田用地に水が来ておらず、アカシアが植えられています。重要な生計手段のもとであった家畜の数も半減し、住民は補償金や政府の補助金で食いつないでいるという有様です。

「生計手段がない現在、我々は政府に飼われているようなものだ」

「この村は電気と道路と診療所と学校しかないんだ、水も農地も無いんだ」

「与えられた家は夏は暑くてすめず、冬も寒くて住めない」

と住民は言います。まだ土砂崩れの跡が生々しく残る移転地では、更なる崩壊の危険性も高く、問題がクリアされたとはとても言えない状況です。アルア再定住区における生計回復計画は住民の反対で撤回され、次の雨季に不安を抱えている住民たちは、移転地を放棄して新しい土地に移り住む計画を立てているほどです。地元の人民委員会はこうした問題を把握しているものの、抜本的な解決策は見出せていない状況だということです。

(後略)

この報告書を読んで「このような例もあるのだな」と希望を見出しながら、ふとこの“クアンナム省”という名前が気になり・・・そしてすぐここが(上記リンクのブログで紹介した)記事にあったウラン鉱山の場所だと気がつきました。

Next Big Future (201099)

Vietnam could have a lot of uranium and has big nuclear energy plans

http://nextbigfuture.com/2010/09/vietnam-could-have-lot-of-uranium-and.html

・・・The site targeted in Quang Nam may hold about 8,000 metric tons, while Vietnam’s nationwide uranium reserves may reach into the hundreds of thousands of tons. Vietnam’s Atomic Energy Institute signed an agreement with Canada’s NWT Uranium Corp. to assess the uranium potential of the Southeast Asian nation.・・・

このウラン鉱山がクアンナム省のアーヴォン付近のものであったかはわかりませんが、こんなことがプロジェクトの中止と関係していたという可能性は0とは言い切れないかもしれません。(そうだとしたら、振り出しに戻った感じ。)

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ベトナム原発についてのメールを読んで考える-JBIC原発融資

2011年10月09日 | 国際協力・プロジェクト

ブログを読んでくださっている方から、原発輸出、JBICの融資関連について、以下のような内容のメールをもらいました(一部編集)。

107日付の朝日新聞の朝刊に、京都大学の伊藤正子准教授がベトナムへの原発輸出について寄稿していました。

少数民族のチャム族の人たちが、既に安価な立ち退き料で強制的に移住させられているとのこと、心が痛みます。

強制移住の問題は、ベトナム国内ですらほとんど報道されていないとのことです。改めて、民主主義と原発の関係について考えさせられました。

ベトナムの原発-なぜ税金で他国の人々が苦しむようなプロジェクトを実施しなければならないのか、考えてしまいます。」

“原発建設と少数民族や環境破壊”-これは原発に限らず、水力発電などでも過去にももめている事例はいくつかあると思います。

また、JBICの融資ですが、正しくは“税金”ではなく郵便貯金や簡易保険、それから年金を借りてそれを運営しています。

そして“原発輸出や原発融資”-(ベトナム向けに限らず私は『反対』の立場を取っていますが、)これについてフェアな観点で言えば、別に日本がベトナムに無理やり買わせようとしているわけではないので、基本的にはベトナム政府側の問題、ということが言えると思います。

たとえば、こんな記事などを見るだけでも、ベトナムが自国に有望なウラン鉱山があるということと、原発建設計画についての期待していることがわかります。

Next Big Future (201099)

Vietnam could have a lot of uranium and has big nuclear energy plans

http://nextbigfuture.com/2010/09/vietnam-could-have-lot-of-uranium-and.html

(そういえば日本でも「人形峠のウラン」が、原発促進に寄与しましたね。

(参考:『“光る石”から“人形峠”まであれこれ』

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110506 )

また、現在は南シナ海問題を米国などが煽ってくれているお陰で、ベトナムは自国で核技術を導入したい野心もあるでしょう。

という意味では、原発輸出については、これは日本の原発メーカーや商社がセールスすることについては、批判はできても止める権利は誰にもないのだと思います。

ただJBICがこれを融資するとなると、それはどうなのか。

たとえば信用金庫が預金を基にしてそれを融資して地域の産業振興に寄与し、利益をだして経営を成り立たせるように、JBICも郵便貯金などを運用して、国の産業振興に寄与し、国のために利益をも上げなければならない-ということがあります。

-だから国の産業振興に寄与して利益を上げられるベトナム向け原発融資・・・。

そして、JBICの場合は“国際協力”という、営利目的の前の発展や幸福を助ける使命もあるのですが、単に「国際協力=相手国のリーダー達の要望に応えること」とするならば、「チャム族云々は、我々(日本、JBIC)はまったく関係ない」と知らん顔するのも、それはそれで理屈ではおかしくないのかもしれません。

ただ、それが、まがりなりにも一時期は戦争から立ち直り、『ジャパンアズナンバーワン』とまで持ち上げられたくらいの国がすることなのかどうか。

「中国は、商売の為ならなんでもする」と言って、中国が人権無視の国で商売をすることなどを批判する声が日本にもありますが、それこそそういうことを言う権利がまだ日本にあるのか。

原発輸出に関しては、それに加え、国民の中で脱原発派が7割、その中で「日本の原発事故対処もできないのに、『日本の原発は安全』といって世界に売り込むなんて最悪」と考える人がそうとういると思われるのに、そうした声を無視。

この原発事故以前は、あまり一般人に知られることがなかった日本の外交の姿、JBIC融資-これらに興味を持つ国民が増えたことは、『監視』が増えたということになります。

ただ「全面的に反対」ではなくて、国民一人ひとりが、冷静に分析しながらwatchし続けることが、日本に進むべき道を誤まらせない一歩なのではないか、と思います。

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リトアニアの次はポーランドの原発-日立

2011年09月28日 | 国際協力・プロジェクト

ポーランド関連の原発の記事です。

これは、もう前から、GEと日立が合弁会社を立ち上げていて、リトアニアの原発建設と合わせてやればコスト削減ができる、ともう受注する気満々の案件です。

毎日新聞 927()2240分配信

ポーランド 初の原発導入へ 「国民に反対ない」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110927-00000131-mai-int

福島第1原発事故後、欧州でドイツやイタリアが脱原発に踏み切る中、東欧の新興国ポーランドが初の原発導入へ向け準備を本格化させている。背景には、天然ガス輸入のロシアへの依存度を減らしたいエネルギー安全保障上の理由や、欧州連合(EU)の一員として温室効果ガスの排出削減を迫られていることがある。

 「ポーランドは今、EU内で最も早いスピードで経済成長している。原発は戦略的政策の一つで、政府にも国民にも反対はない」。元駐日大使のポミャノフスキ外務次官はこう語る。

 ポーランドは近年、国内総生産が3~6%でプラス成長し、電力需要は02年ごろから急速に伸びている。現状では国産の石炭による発電が9割を占めるが、EUの環境規制に基づき今後は大幅にシェアを減らさざるを得ない。石炭に次いで3%を占める天然ガス発電は大部分をロシアからの輸入資源に頼っている。そのため、政府は20~22年までに2基の原発を建設、稼働させる計画だ。

 ポミャノフスキ次官は「国のエネルギー安全保障策として、原発導入に加えて、天然ガスや石油の輸入先をペルシャ湾岸やアゼルバイジャンに広げたい」と話す。

 ポーランドは80年代に最初の原発の建設を北部ジャルノビエツで進めていたが、チェルノブイリ事故後の90年に中止した。首都ワルシャワからチェルノブイリまでは直線距離で約600キロ。当時まだ子供だった30歳代の国民にも「外で遊んでいたら突然親が迎えに来た」といった強い印象が残っている。

 しかし、チェルノブイリ事故から時間が経過するとともに原発を必要とする声が強くなり、世論調査では5割強の国民が原発建設に賛成している。政府は09年、原発推進を決定。福島第1原発事故が起きたあとの今年6月、国会で原発関連法案が9割の賛成で可決された。

 原発に反対するビシニェフスキ・再生エネルギー研究所長は「国民は必ずしも原発賛成ではないのに、政治家とビジネス界が推進している。海上の風力発電など再生可能エネルギーのシェアを増やし、効率的に石炭を使えば原発は必要ないのに、政府は無視している」と指摘。一方、原発を運営する政府系の電力会社「PGE」の子会社「PGE原子力」のチェプリニスキ戦略政策・開発部長は、「原発建設によって国内産業がさらに発展し、二酸化炭素も削減できる。電力価格も安定する」とメリットを強調する。

 原発の建設候補地には22の自治体から応募があった。今後、2カ所が選ばれる。11月までに発表される原子炉の入札には、日本メーカーも関心を示しているという。[ワルシャワで真野森作]

ポーランドは現在シェールガス開発も進めていますが、採掘時にも温室効果ガスを排出するシェールガスを開発しながら、「環境に優しい原発を」と言うのは米国のとまったく同じ。ダブルスタンダードですね。

(ポーランドのシェールガス開発では、三井物産が探鉱の権益を取得しています。これは日本の商社が欧州のシェールガス事業に参画する第一号案件です。)

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アジア原子力共同体と原発

2011年09月06日 | 国際協力・プロジェクト

古いものですが(2003年?)、朝日新聞の「ANN発第二回大使と語る会(ドミンゴ・シアゾン駐日フィリピン大使・東アジアの地域経済統合と安全保障」

http://www.asahi.com/international/aan/hatsu/hatsu030327a.html

から、一部抜粋します。

「アジア原子力共同体」の可能性に期待

事実、KEDO IIからKEDO IIIASIATOM, すなわちアジア原子力共同体などに格上げすることは、全ての加盟国の長期的な利益になるかもしれません。これは、平壌が核兵器を断念することを受け入れ、KEDO IIが実現した後、次に、北朝鮮が二度と合意事項に違反しないことを保証するにはどうしたら良いかという問題があるからです。EURATOM(欧州原子力共同体)に倣って、(東アジア)地域からの査察官による相互査察に基づいた検証システムが、武器の拡散が行われていないということを北東アジアにおいて皆に保証するために唯一受け入れられる形かもしれません。

東アジアにおける核エネルギーの平和利用を目的とする、この地域機関は、中国、日本、南北朝鮮、ロシア、台湾、そしてASEANを含むかもしれません。加盟国は、単に国際原子力機関(IAEA)に依存する代わりに、お互いの各施設を査察すべきです。これは、北東アジアにおける歴史の重荷という点から考えると最も良い取り組みであるかもしれません。

EURATOMは、保障措置の査察に取り組んでいますが、これは、IAEAの保障措置の査察のリポートに基づいています。イラク、北朝鮮、そしてイランにおける最近のIAEAの保障措置の歴史を考えますと、アメリカ、日本、韓国、それに北朝鮮でさえもIAEAの保障措置のみに依存することは難しいでしょう。私は、ミニASIATOMが、出来るだけ早く設立すべきであると信じています。そのような機関は、1996年の日経アジアの未来会議において、フィデル ラモス元大統領によって提案されています。金子熊雄教授も日本でこの概念を提案しています。

ASIATOMは、北東アジアで緊急を要する問題のひとつである核廃棄物の管理や処分に伴う問題を取り扱う任務を負うことも可能でしょう。例えば、現在の韓国と台湾の原子力計画は、使用済み燃料の蓄積につながっています。核廃棄物の管理と処分に対する個々の取り組みでは、近隣諸国の懸念を緩和するはずがないのだから、核廃棄物の管理と処分に対する地域毎の取り組みを持つ必要性があります。

この点で、2001年6月18日に発効した、使用済燃料管理及び放射性廃棄物管理の安全に関する条約は、意義の深いものであります。この条約は、近隣諸国に、条約の締約国である国の使用済み燃料の管理と核廃棄物管理の安全性について相談を受ける権利を与えています。残念ながら、韓国だけがこの条約の締約国となっているだけです。日本、北朝鮮、中国、そしてロシアは、北東アジアの人々に対し、領土内での使用済み燃料と核廃棄物管理の安全性を保証するため、条約の締約国となるべきです。

ASIATOMの機能は、原子力発電所とその他の核燃料サイクルに関連した施設の安全な運転を含めるよう拡大することも可能です。海外の査察官の参加によって、日本人は、自国の各施設の安全な運転に関してもっと信頼感を持てるかもしれません。

北朝鮮の問題の解決方法を模索していく中で、ASEANは、日本、アメリカ、そして韓国に、さらに積極的な役割を期待しています。外交とは、可能性の技術であると言われ、平和的解決を見付け出す努力は、精力的に追求されなければなりません。

この講演者は、元駐日フィリピン大使です。

フィリピンは日本と同じ米国依存の国ですし、現在など、特に現在中国を脅威に感じているので、「核の平和利用」と「ASIATOM」に、(経済効果の観点以外でも)今もなお期待をしていることでしょう。

もちろん、そういう人たちは日本の中枢にも多く、福島原発がこんな状態であっても、「資源がない」「電気料金が高く付く」という名目で原子力発電所の重要性を訴えています。

そしていまだに「モンゴルの核廃棄物処理場」を諦めていないのも、原発商売だけの問題ではないのでしょうね。

私自身は「核の平和利用」というまやかしや、「核の安全保障」も信じていませんが、ただ、「自国が他国に攻め込まれない」ということが100パーセント保証されない限り、「あれもいや」「これもいや」というのは許されないことは分ります。

が、「国の安全保障」のためにも「核」が必要と言い、現在のこれだけの被害(国の内外)を無視してしまうことは、本末転倒の気がします。

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原発輸出とJBIC融資とODA(JICA)

2011年08月27日 | 国際協力・プロジェクト

久しぶりに、良いニュースがありました。

ヨルダンと日本の原子力協定の国会での承認が、4月に引き続き今月24日の国会でも見送られました。

これは、NPO法人「環境・持続社会」研究センターの田辺有輝さんの国会での発言が大きな歯止めの役割を果たした結果です。

以下、今月8月の初めの彼と福島瑞穂さんの対談のリンクと全文を貼り付けます(瑞穂さんのブログより)。

なお、途中瑞穂さんが途中「原発事故が起きたときのリスクを輸出側が負う」ことを心配されていますが、これは契約によるのではないかと思います。しかし、相手国が返済できない状態になったときは貿易保険が使われるので、間違いなく間接的に日本国民に負担がはねかえることになるでしょう。

http://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/blog-entry-1895.html

福島

 どうも皆さんこんにちは。今日は「環境・持続社会」研究センターの田辺有輝さんに来ていただきました。原発の海外輸出の問題について、政府は原発の海外輸出をあきらめたとは言っていません。議論にはなっていますが、どういう問題があるのか、しっかり話をしてもらいたいと思っています。

 私も10年前、日本のプラント会社が台湾に原発を輸出するというので、当時、衆議院議員の山内恵子さん、北川れん子さんと一緒に3人で台湾の現場に出かけたことがあります。今、とりわけ原発輸出が言われているので、そのことの問題点を、今日は田辺さんにしっかり語っていただきます。よろしくお願いします。

 田辺さん、今、日本の原発輸出の計画はどういうものがあるか、話してください。

田辺

 福島事故の前までは、まず一番有力だったのはアメリカでした。ところがアメリカは福島の事故でこれは採算が合わないと現地の企業が言い出しまして、今それで中断しています。次に有力だったのがベトナムでした。ベトナムは引き続き、事故以降、特にやめるということは言っていません。

 今、経済産業省の予算を使って調査しているところなんですが、この後続けば実際に輸出ということになると思います。それから福島事故以降大きなテーマとして上がってきたのがリトワニアの原発で、日立が優先交渉権を獲得したんでこれから交渉してもし続けば、JBIC(国際協力銀行)の融資がつくかもしれないというところですね。 後はトルコで、トルコは福島の事故以前に交渉をしていたんですが、事故の後に日本が検討すると言ったので、だらだらしていると韓国とまた交渉しちゃうよということで脅しをかけてきているというような状況です。

福島

 7月にギリシャに行ったときに、トルコに占領されているキプロス、あるいはギリシャも、トルコは地震が大変多いですから、トルコが原発を建てるということに周辺の国やキプロスは大変危機感を持っていて、何とかやめてほしい、反対という声もものすごく聞きました。地中海全体がどうなるかという話ですね。

田辺

 ベトナムでも、タイの方々はベトナムに近い地域なので、ベトナムに建設するのは反対だということでデモや集会をやっているような状況です。

福島

 日本を脱原発にするということと、世界の中でも原発を減らしていく、なくしていくということがだいじだと思うんですが、一方で日本が原発を輸出するという問題があるわけですね。

原発を輸出する問題点について話してください。

田辺

 いろんな問題点があるんですが、まず大きいのは安全性だと思います。例えばベトナムは2007年にODAで日本が融資した橋が大崩落して死亡事故が起こった例もありますし、それから汚職の腐敗が非常に激しい国ですので手抜き工事などもあると言われています。技術・施工・運営がきちっとされないと原発はきちんと動かないものですから、その点で第一に、技術の裾野、安全性の裾野がしっかりしていない国に、輸出する、原発を持っていくというのは非常に大きな問題です。

 それから二つ目としては経済性の問題があげられると思います。例えばアメリカなどでは、すでに再生可能エネルギーの方がコスト的に優位で、そういうことがあってアメリカの事業者はやめているわけで、これを仮に新興国に持って行った場合にも同様なことが言えるんじゃないかと思っています。経済性の点では、通常のコストもそうですが、事故が起こった際に、日本でもこれだけ国家財政にのしかかってくるわけですから、途上国で10兆円とか20兆円という財政負担がかかるとすればものすごい負担になるだろうと思います。

福島

 日本の事故もチェルノブイリの事故もそうですが、国境を越えて放射性物質が流出するということもあるので、被害という面もありますし、全ての人の命がそれで危機に陥るわけですものね。それで、アメリカに輸出する際もアメリカのシティ銀行などは、あまりにもコストがかさむのでリスクが高いという判断をしたとも聞いているんですね。

 もう一つ、日本が原発を輸出するという時に、JBIC(国際協力銀行)がかんでいると。つまり、原発を輸出すると、日本が儲かると思うかもしれないけれど、どうってことない、日本の財政投融資などが債務保証、あるいは融資というかたちで使われる可能性があり、ベトナムの場合には実際そういわれていますので、結局日本の国民のお金が使われる、しかも工事が長期化して膨大になると輸出するプラント会社などは儲かるかもしれないけれど、国民にとってはどうなのか、JBICのことなどについて話していただけますか。

田辺

 例えばJBICが福島事故以前に検討していたアメリカの例で言うと、アメリカのテキサス原発では4千億円の融資がJBICから期待されていました。4千億円という数字は、JBICの資本金が1兆円ですのでその4割に当たると。これがもし焦げ付いたらまるまる国民の税金で負担しなくちゃいけないということで非常にリスクが高い案件だと思います。

 例えば、韓国がUAEに原発の輸出を決めましたけれど、あれも約1兆円を出すといわれています。ただ韓国は自分でお金を持っていませんので、国際市場から調達して、韓国とUAEの間ではUAEの方が格が上ですので、韓国が高く国際市場から借りてきて安くUAEに出すということで、韓国の例はまさに、失敗してもいないのに国民負担がのしかかっているという状況です。

福島

 JBICのお金の出し方、融資をするというときに、日本の国民の何が使われるんでしょうか。

田辺

 JBICの資本自体は主に一般会計から出されているんですけれど、財政投融資、今は財投債ですが、いわゆる国債が使われています。なので、国債でJBICだと10兆円くらいの規模で運営していますので、国債を買っているのは銀行とか郵便貯金、年金ですので、われわれのそういったお金がJBICの融資に当てられているということです。

福島

 国債を買っていらっしゃる国民のみなさんもいらっしゃるでしょうが、年金機構のお金は国債を買って運用したりもしていますし、そうすると大事に使ってもらわなければいけないお金で、運用することがどうかという議論も国内にはあるのですが、それが原発の輸出のために使われるとするとほんとにリスクが高いという、そんなことのために日本の国債、財政投融資を使うな、という面もすごくあると思うんですよね。

 だから、ある企業が勝手に海外に原発を輸出するという話ではないというところが、この原発輸出、国策として輸出するところのミソだと思うんですがいかがでしょうか。

田辺

 銀行、郵便貯金のお金が使われるということで、失敗したらそれをわれわれ国民がかぶるということですね。

福島

 しかもダムや道路の建設もそうですが、原発の建設もどんどん初期よりも膨れ上がるということがありますね。しかもベトナムも今原発はゼロなわけですから、これから立地を決め、法律を作り、体制を作りなので、ほんとにうまく行くかどうか、うまく稼働するかどうか、安全なのかどうか、期間に終わるかどうか、そして原子力賠償損害機構法案、今まさに参議院で議論中ですが、その問題も起きますものね。

 つまり、原子力発電所が事故を起こしたときに、それを誰が負担するのか。焦げ付いたり、パーになると回収できないということになると、国際をつぎ込んだら日本はそのまま負担をするんでしょうか。

田辺

 JBICは引当金というのを積んでいますけれど、仮に4千億が吹っ飛ぶとそれでは全然足りませんので、JBICの今の規模を維持しようとするとやはり一般会計から出さざるを得ないでしょうね。

福島

 原発はとてもリスクの高い電力だということが明らかになったわけで被害が起きたら大変ですものね。人命とお金と両方ぶっ殺してしまうという。

田辺

 日本では経済産業省の中で、原発を推進している部署とチェックしている部署が一緒だと、これはガバナンス上問題じゃないかと言われていますけれど、まさに輸出においても、輸出の許可を出すのは経済産業省なんですが、このままいくと、JBICが最終的にお金を出す前にチェックするんですが、現状のフレームワークで行くと、原発を推進している経済産業省が原発危機のチェックをする、安全性とか、核拡散のチェックをするという体制になっていますので、これはまさに原発輸出においてもガバナンスの欠如ということがあると思います。

福島

 たしかにそうですね。日本の中に原発を建てるんだったら、保安院の審査がある、それがでたらめだったというのは福島原発事故で明らかになったわけですが、それを輸出したさきのベトナムで安全審査基準がどうなるかはわからないですものね。

田辺

 今検討されているとは思うんですが、日本でも安全性は、技術的には後から考えれば、堤防を高くする、電源を確保するとか、別に技術的にそんなに大きなハードルがあったわけではないのですが、チェックしている体制というところでチェックしきれていなかったのが大きいと思いますので、まさにベトナムなどのようなガバナンスの国ですと、日本ももちろん問題ですが、日本以上に厳しいんじゃないかなと思います。

福島

 原発輸出の時に経済産業省がチェックをし、全部経済産業省がやるからチェックができないというのはおっしゃるとおりですね。それから今、お話を聞きながら思ったのですが、原発を建てるときに安全かどうかという議論をし、環境アセスメントをやり、それから立てましょうというのが筋ですが、でも、原発輸出って、まず原発輸出するぞというのが先にあって(田辺:そうですね)、それから現地の安全性というのがあるとすると、最近やらせと結託、政官業学癒着がありますが、むしろ日本政府とベトナム政府とJBICがきちっと合意して輸出すると決めたら、そこでの安全性というのはものすごく場合によっては甘くなっちゃうんじゃないですか。

 つまり、もういらない、建てないぞということがとても言えなくなってしまう。どうでしょうかね。

田辺

 面白いのは、ODAで再生可能エネルギーというのは今わずか6%なんですね。これを外務省にもっと引き上げてください、もっと再生可能エネルギーをODAでやって下さいと言うと、いやこれはその国の意思決定があるからなかなかうちが再生可能エネルギーを押し付けるわけに行かないんですと言うんですよ。だけど原発は全然逆で、原発をやろうと日本が決めて、ODAで直接原発はやりませんが、ODAで周辺インフラをやるというようなことで大方針を掲げていますから、原発と再生可能エネルギーの温度差はものすごいですよ。

福島

 そうすると、ODAで原発のまわりのインフラ整備をするんですか。パッケージインフラというのは、政府で20106月の新成長戦略でパッケージ型インフラ海外展開を提唱で、パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合で原子力発電重点分野と。このパッケージについてもう少し話していただけますか。

田辺

 原発輸出をするには単に原発の機器だけでなく、いろんな研修をしたりするのがまず最初に必要ですし、原発の立地調査のお金も必要です。それから実際にウラン燃料を運ぶには港が必要ですし、原発作って送電線につなげるために送電線が必要。原発そのものへのODAはいちおうOECDで禁止されていてそれはできないんですが、例えばウランを運ぶための港を作る、周辺の道路を作る、送電線を作るというのは周辺インフラなので、それはOKだというふうに言われているんです。産業界はそこをODAでやってくれとものすごく要請しています。

福島

 そうすると、日本の国内でいわゆる過疎地に対してやっていたことを、場所を変えて発展途上国に行くということですね。それが日本の中だと電源三法による交付金だったのが、ODAだったり、JBICが融資しますよ、負担かけませんと言いながら、でも危険を持っていくという形ですね。でも、日本国民にとっては、これは全然もうからない話ですよね。

田辺

 もうからないというか、非常に経済的にリスクが高いですね。

福島

 だから財政投融資を使うというところがやはり大きなことで、これが新成長戦略と言われているけれど、日本の成長や人々の幸せにはならないし、事故が起きればそこが問題だとなるわけですね。原発輸出はODAでは禁止されているのは、それは核不拡散の観点からですか(田辺:それは・・・)。

 日本では脱原発依存社会というのを総理も発言し、脱原発の動きはほんとに強まっています。ただ、原発輸出は止まっていない。ベトナムについてもリトアニアについても止まっていないわけで、その点では日本の原発輸出を止めさせるように、もっと言えば、他の国の輸出についても、わたしたちはおかしいぞということを国際社会の中でしっかり言っていきたいと思っています。原発輸出、日本の損になるよ、日本の国民の損になるし、地元に危害を与える可能性があると、これを是非止めるように一緒にがんばっていきたいと思っています。今日はどうもありがとうございました。

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モンゴルの放射性物質廃棄場-ポール・フレンチ氏の記事

2011年08月02日 | 国際協力・プロジェクト

『マスコミに載らない海外記事』さんが、イギリスのジャーナリストのポール・フレンチ氏の記事の翻訳をしてくださっています。

モンゴルに放射性物質廃棄場を作るプロジェクトを、日本、特に東芝が急ぐ理由の一つは私も『福島原発の使用済み核燃棒処理』にあると思っています。(一応モンゴルの大統領は断わったとのことですが、秘密裏に話が進められていると聞きます。)

以下を是非ご覧ください。

『福島第1原発・廃炉: 誰も欲しがらない使用済み燃料棒』

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/1-aab4.html

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原発融資に意欲的なJBIC、原発融資をしない世銀

2011年07月30日 | 国際協力・プロジェクト

フランスから原発・放射能関連の貴重な情報を配信してくださっているフランスねこさんに、私はたまにリンクを紹介することがありますが、昨日モンゴル核廃棄場の関係で連絡をしたところ、

「こんにちは。モンゴル情報をありがとうございました。

私も先日関連記事を読んで、話は進んでいる模様-と懸念していたところでした。

時間がなくてブログではなかなか取り上げられないのですが、モンゴル、ベトナムの他に、トルコ、チュニジア、インドへの核輸出の状況を注視してゆく必要があると思っています。

国際協力銀行は、我が国の原発に関する輸出が今後鈍化するとの見通しを既に発表していますが、

「東日本震災が原発の輸出に与える影響は予想以下」

「日本人は国内の原発建設には反対しても途上国に作られる原発は許す」

などなど、一部の官庁とアカデミアが一体となって原発輸出推進のロビー活動を引き続き強化しているという話を最近ききました。」

というお返事を頂きました。

さて、国際協力銀行(JBIC)-特に内閣官房参与でもあるJBICの前田匡史国際経営企画部長-の「原子力発電輸出に向けての並々ならぬ努力」については、当ブログでも何度か取り上げてきました。

ところで、「日本人は国内の原発建設には反対しても、途上国に作られる原発は許す」これは『民意』でしょうか?

もちろん日本のなかには多くの原発推進派はいて、彼らは「日本の原発も許すし、原発輸出も大いに結構」と言うでしょうし、脱原発派であっても「日本は地震国だから原発は止めるべきだけど、それ以外の国だったらOK」という人もいるでしょう。

ついでに言えばJBICは、フランスねこさんが挙げた国以外の原発輸出案件も抱えていて、先日ご破算になった米国向け原発などは「先進国向け」であるにも関わらずごり押ししていました。

トルコの原発は二転三転していますが、この国は地震多発国です。(今進展しそうなリトアニアの案件は活断層上に建設するとか・・。)そしてインドネシアなどは、国民の多くが反対をしています。

今の日本、「原発輸出、しかもモンゴルに核廃棄場まで作って売り込むなんて“No”。」という人の方が多いと思います。

こういうことを書くと、「それでは、日本の経済は打撃を受ける」という意見もありそうです。

確かに原発に限らず、「経済界を破綻させず、雇用をまもるためにも綺麗ごとを言ってばかりではいられない。目をつぶることも必要」というのは、程度問題で許容しなければならないでしょう。

たとえば脱原発を決め、国内のみならず世界各国の国民からもエールを貰ったドイツ政府は、経済活性化のためもあってか、今までイスラエルに気兼ねしてできなかったサウジアラビア向け武器(戦車)輸出の話を進めています。

これは、ドイツは原発輸出国ではないので原発とは関係ありませんが(部品は知りません)、国内の防衛費が削減されたことを受けての輸出というのが本音。

「イランがサウジとイスラエルの敵だからOK」と言っている人もいますが、「綺麗ごとばかり言っていると、国が滅びる」ということでしょう。(私は相手国がどうかに限らず、武器で儲ける国はどうかと思いますが。)

日本も今度は「原発を止めたら、武器輸出だ」と言い出す人もいるかもしれませんが、ともあれ、「少なくとも、JBICの成り立ちを考えたら、とても原発推進をする機関ではないはず。この機関の意義を考え、『国際協力銀行』という名前を汚さないようにして欲しい。」と切に願います。

世界銀行が原発融資をしていないこと(1959年にイタリア向原発に融資したことはありますが、反省してそれ以降はしていません)を思い出してください。

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モンゴル放射性物質廃棄場-IAEAの協力、東芝の書簡のこと

2011年07月29日 | 国際協力・プロジェクト

ジャーナリストの廣瀬陽子氏の記事はとても参考になるものが多いのですが、昨日、今日と前後編に渡って書かれた記事を:

Wedge Infinity

原発輸出をめぐる日露の緊張関係(前編・後編)

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1425

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1427

さて、このうち後編の抜粋を貼り付けます。

“・・・既述のように、ロシアは近年、原発の輸出を外交の重要なカードに据えている。他方、原発にかかわる日本企業も、当面、外国での事業展開しか望めない状況である。そこで原発の市場でロシアと日本、米国の対立関係が目立つようになってきた。

第一に、使用済み核燃料を処分する体制を日本も確立し始めたことがある。

前編で述べたように、ロシアは自国原発の「売り」を、安価な価格と使用済み核燃料の処分という、原発のプロセス全体に責任を持つ体制だとしてきた。

 それに対して、日本の経済産業省や米エネルギー省、モンゴル政府は、モンゴル産のウラン燃料を原発導入国に輸出し、使用済み核燃料の処分はモンゴルが請け負う「包括的燃料サービス(CFS)」構想に向け、議論を急いできた。

 718日、3か国政府のCFS構想に関する合意文書の原案が明らかになった。モンゴル国内に使用済み燃料の貯蔵施設を建設するにあたって、IAEAが技術援助をする可能性もあると記載されている。

 これが成立すれば、核燃料の供給と使用済み核燃料の処分を一貫して引き受ける初の国際的システムが成立することになり、その処分体制を整備できていない日米の欠点が補われる。さらに、日米は新規原発導入国に原発を売り込む上で大きな利点を得られ、ロシアの原発商法(最近、中国やフランスもこの商法を取り入れることに関心を示しているという)にも対抗できるようになるのである。本交渉は政府レベルで進められているが、東芝も関わっているという。・・・”

うっかり、共同通信のモンゴルのCFSの記事を見落としていたので、これも貼り付けます。(大手新聞にこのニュースを報道したところはあったのでしょうか?)

47NEWS (2011718)

使用済み核燃料をモンゴルに貯蔵 日米との合意原案判明

http://www.47news.jp/CN/201107/CN2011071801000391.html

全文:

モンゴル産のウラン燃料を原発導入国に輸出し、使用済み核燃料はモンゴルが引き取る「包括的燃料サービス(CFS)」構想の実現に向けた日本、米国、モンゴル3カ国政府の合意文書の原案が18日明らかになった。モンゴル国内に「使用済み燃料の貯蔵施設」を造る方針を明記し、そのために国際原子力機関(IAEA)が技術協力をする可能性にも触れている。

 モンゴルを舞台としたCFS構想が実現すれば、核燃料の供給と、使用済み燃料の処分を一貫して担う初の国際的枠組みとなる。福島第1原発事故を受け、当面は構想の実現は難しいとみられるが、民間企業も含め後押しする動きが依然ある

そういえば、今月初めには、東芝の社長が米政府高官に「使用済み核燃料などの国際的な貯蔵・処分場をモンゴルに建設する計画を盛り込んだ新構想を推進するよう要請したニュースがありましたが、東芝社長はIAEAも後押ししてくれて、満足なことでしょう。

(参照:『米政府高官に書簡を送った東芝の倫理観』

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110703

ところで、IAEAは「原発促進の為の国際機関」とも言われていますが、国際機関を語ってはいるものの米国の利益ための機関のようです。これはIAEAに限らないのですが、(国際機関のなかで)一番露骨に思えます。

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最初で最後となっている世銀のイタリア原発融資

2011年07月14日 | 国際協力・プロジェクト

712日のブログに、サルコジ大統領が「世銀等国際金融機関が原子力発電に融資してくれていないこと」に噛み付いたスピーチについて書きましたが(実はあの頃フランスは、南アの原子力発電の受注を逃し、それを世銀が原発に融資しないためだと思っていた。)、原子力発電に融資をしないといわれている世界銀行も、実のところ1959年にイタリアの原子力発電所に融資をしています。

                           

そして最初で最後の世銀の融資案件となっているこの原発は1964年に操業、1978年に(何度かの事故のあと)停止、1982年に廃炉。

関連して調べていたら、世界銀行のArchiveに世銀の歴史-原子力への融資がありました。英文ですが、興味があればどうぞ。

Pages from World Bank History: Loan for Nuclear Power

(リンク:

http://web.worldbank.org/WBSITE/EXTERNAL/ EXTABOUTUS/

EXTARCHIVES/0,,contentMDK:20125474~pagePK:36726~piPK:

36092~theSitePK:29506,00.html )

August 22, 2003?It is a little known fact that the World Bank financed a nuclear power plant. On September 16, 1959, the Bank made a loan equivalent to $40 million for the construction of a 150,000 kilowatt atomic power plant in Italy (Loan 0235). This was Italy’s first nuclear power plant, and the Bank’s loan financed almost two-thirds of the cost of construction. The project also included civil works, a substation and about 60 miles of transmission lines.

Early consideration of nuclear power

The Bank had been actively considering the development of nuclear power on a commercial basis since 1955. In June 1956 the Bank issued a report examining the status of nuclear power development at that time. It concluded, based on the information then available, that there were good prospects that power could be produced by a nuclear plant at costs competitive, or close to competitive, with power produced by a conventional plant in the following circumstances:

a) The nuclear plant would have to be integrated with an extensive generation and distribution system, permitting a 100 MW or larger plant to be operated as a base load unit.

b) The nuclear plant would have to be located in a country with relatively high fossil fuel costs, with poor hydroelectric potential, and with sufficient availability of capital so that relatively low-cost money could be obtained.

c) The country would have to execute the necessary intergovernmental agreements assuring a continuing supply of fuel, reprocessing and, if necessary, the import of components, unless these materials and technical abilities were available.

d) Power rates in the system into which the plant would be connected should be flexible enough so that if the nuclear plant should cost more than expected or should not perform as anticipated, the excess cost could be absorbed without a significant adverse effect.

e) Until further operational experience had been obtained, it would not be prudent to establish the nuclear plant in a system where it would represent a considerable proportion of the total system generating capacity.

At the 1956 Annual Meetings the Bank sponsored a panel discussion entitled Atomic Energy in Economic Development. The panel consisted of a group of international experts on atomic energy, and was moderated by the Bank’s Adviser on Atomic Energy, Corbin Allardice. ・・・

(中略)

・・・The plant began operation in 1964. In August 1978 it was shut down due to damage to one of the two secondary steam generators. In March 1982 the Italian Electricity Generating Board declared the plant to be out of service.

While the Bank has continued to monitor developments in the field of nuclear energy, the loan to Italy for the nuclear plant on the Gargliano river remains its only loan for that form of energy.

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米政府高官に書簡を送った東芝の倫理観(モンゴル核廃棄場)

2011年07月03日 | 国際協力・プロジェクト

モンゴルに放射性廃棄物処分場についてブログで何度か取り上げていますが、昨日の東京新聞の朝刊に以下のような記事がありました。

東京新聞 201172日朝刊

『東芝 モンゴルに核燃処分場構想』

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2011070202000039.html

全文:

米原子力大手ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)を子会社に持つ東芝の佐々木則夫社長が五月中旬、米政府高官に書簡を送り、使用済み核燃料などの国際的な貯蔵・処分場をモンゴルに建設する計画を盛り込んだ新構想を推進するよう要請、水面下で対米工作を進めていることが一日、分かった。

 複数の日本政府関係者や政府の内部文書によると、モンゴルでの核処分場計画は、新興国への原発輸出をにらみ、モンゴルで加工したウラン燃料の供給と使用後の処理を担う「包括的燃料サービス(CFS)」構想の一環。米国とモンゴルが主導し、日本にも参加を呼び掛けた。経済産業省が後押ししてきたが、外務省が慎重姿勢を示すなど政府内に異論もある。

 日本のエネルギー政策の見直しが進む中で明るみに出た東芝の働き掛けは、福島第一原発事故後も、原子力業界の原発輸出路線に変化がない実態を示している。

 共同通信がコピーを入手した書簡は五月十二日付で、米エネルギー省のパネマン副長官宛て。原子力政策に携わる米政府当局者は、書簡が米政府内で回覧されたことを認めた。

 書簡は、日米の一部メディアが四~五月にモンゴルでの処分場計画を報じたため「(モンゴルを巻き込んだ)CFS構想は今や世界的に周知されたと認識しなければならない」と指摘。「反対も予想されるので、進展継続を確かにするため、関係者がより緊密な調整を図ることが極めて重要」としている。

 豊富なウラン資源のあるモンゴルで事業を進める意義にも触れ、関係国の国民が「事業の価値を正しく理解する」ための努力が必要と主張。福島の事故で「原子力産業に環境の変化が起きた」としながらも東芝として「CFSへの積極的関与の方針に変化はない」と強調した。

 東芝広報室は書簡を送ったことを認め「モンゴルのCFS構想は、国際的な核不拡散体制の構築、および同国の経済発展に寄与できるという点で意義がある」と述べた。

 日本政府高官によると、この関連でモンゴル政府関係者が今年二月に来日している。

<包括的燃料サービス(CFS)> 原子力発電用のウラン燃料の供給や使用済み燃料の処分を国際的枠組みで一括して行う構想で、米エネルギー省やモンゴルなどが提唱。「揺りかごから墓場まで燃料サービス(CTG)」とも呼ぶ。新興国の原発導入へ向け、日米やフランスなどがプラント売り込みにしのぎを削る中、新規原発導入国にとって課題となる(1)ウラン燃料の濃縮、加工、調達(2)使用済み燃料など「核のごみ」の処分-を一括して解決するのが狙い。ウラン濃縮や使用済み燃料再処理といった核兵器開発に転用可能な技術拡散の防止も想定している。

東芝社長の要請は、福島第一原発の処理の関係もあってのことがどうか素人にはわかりませんが、大変無神経だと思います。

以前の記事で、東芝と並んで名前があがっていた日立は今回は要請はせず、東芝が単独でしたのでしょうか。

いずれにしても、今後、我が家では東芝製品は買うことはないでしょう。

(一家族がボイコット宣言をしても、東芝は痛くも痒くもないでしょうが・・・。)

参考:

モンゴルよりアメリカで放射性廃棄物引取りを

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110403

モンゴルよりアメリカで放射性廃棄物引取りを-2

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110509

モンゴルに“うんち”を押し付けようとしている米国(と日本)に反対する世界の人たち

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110510

メア氏が首相官邸で面談した内閣参与

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110512

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Good job, UNESCO!

2011年06月30日 | 国際協力・プロジェクト

今日はちょっと嬉しいニュースを。

市民社会フォーラム

『ジャビルカ通信(号外)クンガラ鉱区のウラン開発の可能性ゼロに』

http://civilesociety.jugem.jp/?eid=9230

抜粋:

“・・・パリで開催中のユネスコ世界遺産委員会において、
北オーストラリアのクンガラ Koongarra 地区を世界遺産「カカドゥ国立公園」に編入することが決定されました。

これで、同地区でウラン採掘権をもつ仏・アレバ社(旧・フランス国立原子力開発機構)によるウラン採掘は不可能となりました。
30
年以上にわたりウラン開発に抵抗を続けてきたグンジェイッミ・アボリジニーの希望がひとつ実現しました。・・・”

さて、オーストラリアのアボリジニとウラン・・といえば、4月のインディペンデント紙に、福島原発事故を受けて、アボリジニの長老が国連の事務総長に書簡を送った話が載っていました。

翻訳はこちらから:

エコロジーオンライン

『アボリジニがウラン採掘に反対』

http://www.eco-online.org/2011/05/02/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%A2%E7%99%BA-%E3%82%A2%E3%83%9C%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%81%8C%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%83%B3%E6%8E%A1%E6%8E%98%E3%81%AB%E5%8F%8D%E5%AF%BE/

抜粋:

“世界中を震撼させた福島原発事故だが、オーストラリアの北部特別地域に住む原住民族ミラー族が受けた衝撃も例外ではなかった。契約にサインすれば巨額の富を約束されているにも関わらず、彼らの土地で行われるウラン鉱石採掘を制限する意志を固めている。

 先祖代々ミラー族が所有してきた土地からは30年以上もウランが採掘され続け、世界中に輸出されている。福島原発を運営する東京電力も主要な鉱山である「レンジャー」の長年にわたる顧客だ。

ミラー族の長老であるYvonne Margarulaは、パン・ギムン国連事務総長に、ミラー族の人々が日本の惨状を心配し原子力の緊急事態について懸念している旨を手紙に書いて送った。

「日本の原子力会社とオーストラリアのウラン鉱山会社との長年にわたる関係をみると、福島原発の放射能事故は、我々の土着の土地から採られたウランが、少なくとも原因の一部であるようだ。このことを我々は非情に悲しく思っている」とMargarula は言う。

 また、長老Margarulaは事務総長に、2つ目の鉱山となる世界最大の未開発のウラン鉱床「ジャビルカ」での採掘反対をさらに強めていく決意と共に、ジャビルカ鉱床が世界遺産指定のカカドゥ国立公園の一部になることを希望すると伝えた。 ・・・”

ユネスコ(と国連)に拍手。

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エネルギー開発を担当する経産省が環境問題にも権限があるという構図

2011年06月23日 | 国際協力・プロジェクト

昨日のブログ『サハリン産ガス直接供給プロジェクトに関して原子力・保安院が出した勧告』に対し、STさんから2度コメントをいただきました。

そのコメントの一つにあった、

「環境影響評価(俗に言う環境アセスメント)ですが,エネルギー関係の所管官庁は経済産業省なんですよね。実は・・・(環境省は助言するのみ。)」

というのが引っかかり、環境関係の仕事をしている知人B氏にメールをしました。

B

・・・・・「昨日、「環境影響評価(俗に言う環境アセスメント)ですが,エネルギー関係の所管官庁は経済産業省なんですよね。実は・・・(環境省は助言するのみ。)日本の仕組みがこうなっている経緯は私はしりませんが・・・」という話を聞きましたが、エネルギー関係で、エネルギーを管轄する省庁が環境に対して権限を持っている国というのは、たくさんありますか?(結局分散していても、最終的には折り合うようになっているとは思いますが。)

ゆかり”

この後B氏は、

「電力会社が発電所を建設しようとする場合その環境アセスはエネ庁が監督します。

設備投資という経済行動に付随する、すなわち機械の性能を評価するための手続きとしての環境アセスという性格に着目して、経産省・エネ庁なのでしょう。因みに地球環境問題は経産省と環境省の共管です。」

という説明をしてくれ、そして、中国は水力発電の管轄は地方の環境局、(発電ではありませんが)インドの肥料工場の案件では環境森林章が担当しているという最近の例の紹介と、そしてアメリカはエネルギー省が担当しているようだ、ということを教えてくれました。

この後、B氏に以下のように返事を書きました。

B

お忙しいところ、ありがとうございました。

実は、この話の大元は、2006616日の、経済産業省が日本パイプライン(株)(当初予定していた名称は北日本パイプライン開発機構)に出したサハリン関係の勧告書の話でした。

http://www.nisa.meti.go.jp/oshirase/2006/1080.html

前にBさんから、「日本の地熱開発が進まないのは環境省が嫌がるから」というのを伺っていたこともあって、この上記勧告で経産省が「環境保護を楯に反対」というのを前面に出していることに、私は引っかかっていました。

「食物の放射能汚染を、何故農林水産省でなく、政府がするのだ?」という声を前に紹介させてもらったと思いますが、今考えるに、「農林水産省は農協と深いつながりがある以上、そういう意味では、放射能汚染に対する発表は政府からの方が若干はマシだったかもしれない」(といいながら、政府の方は補償問題があるので、これまた信じられないのが悲しい・・・)と思えます。

放射能汚染は国民の健康に対しての責任についてですが、環境に対する責任-エネルギー関連の省が、環境にかかる権限を持つということは、環境保護がその時のご都合で良いように使われてしまうといことで、好ましくないですね。

(ドイツは原発停止命令で反対する電力会社に、環境担当が随分強い言葉を言っていたのを新聞で見ました。印象的でした。)

ちょっと、これも調べてみます。

なお、言い忘れましたが、上記勧告には、エネ庁ではなく、原子力安全・保安院の名が連ねられています。

原子力安全・保安院が「安全」ではなくて、「環境保護」をメインに勧告を出すのであれば、この機関の名称を変えるべきですね。妙な誤解(?)を招きますから。

ゆかり”

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サハリン産ガス直接供給プロジェクトに関して原子力安全・保安院が出した勧告

2011年06月22日 | 国際協力・プロジェクト

2006622日、ちょうど5年前ですが、時事通信に、このような記事がありました。

サハリン産ガスを直接供給=パイプラインで北海道へ

【モスクワ22日時事】北海道の財界などが設立した「北日本パイプライン開発機構」(JPDO)は22日、ロシア極東・サハリン産の天然ガスを北海道に直接供給するガスパイプライン建設計画をロシアの政府系ガス独占企業ガスプロムと交渉していることを明らかにした。モスクワで開かれているロシア石油ガス会議に出席中の蝦名雅章同社取締役が記者団に語った。

 ルートはサハリン南部のアニワ湾から北海道・稚内を結ぶ海底パイプライン敷設など2つの候補が挙がっており、ガスプロムの子会社が調査中。同取締役は、2008年に建設を始め、11年に輸入を開始したいと述べた。総事業費は約3000億円。日本側は将来、青森県のむつ小川原工業地域までパイプラインを延長したいとしている。 

この構想について、記事より数日早い2006616日に、経済産業省、原子力安全・保安院が、「北日本パイプライン開発機構(現:日本パイプライン株式会社)」に対して以下の勧告を出しています。

「北日本パイプライン開発機構(株)(仮称)名寄天然ガス発電所設置事業に係る環境影響方法書に対する勧告について

2006616 

当省は、(仮称)名寄天然ガス発電所設置事業に係る環境影響方法書について審査した結果、電気事業法第46条の81項の規定に基づき、北日本パイプライン開発機構(株)に対し、環境保全の観点から勧告を行った。 

※勧告書のPDFは以下のリンクの中にあります。

http://www.nisa.meti.go.jp/oshirase/2006/1080.html

なお、日本パイプライン株式会社の事業内容はこちら、

http://www.jpdo.co.jp/project.html

沿革は以下のとおり(2009年以降がないのですが、これはどうなっているのでしょう。)。

http://www.jpdo.co.jp/history.html

サハリン開発に関しては、(このプロジェクトだけであったか忘れましたが、)確かに環境保護団体が反対の声を上げていたと思います。

これはサハリンに限ったことではなく、開発は何であれ自然破壊を引き起こし、それを反対する人たちもいます。

どんなに市民が反対しても押し切られるケースがほとんどであるのに、このプロジェクトに関しては、国は大変環境保護団体に協力的であったようです。

しかしながら、この(環境問題重視の)勧告を行ったのが経済産業省、原子力安全・保安院であること・・・腑に落ちません。

(確かにCO2排出権関係は経産省の管轄ですが・・。)

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干ばつで自国の原発を停止するかもしれないフランス、インドのジャイタプール原発建設

2011年05月22日 | 国際協力・プロジェクト

今年、フランスは干ばつで水不足-農作物への影響も当然ありますが、このまま干ばつが続いた場合冷却水も不足するため、原子力発電の大規模停止も発生するかもしれないとのこと。

(フランスは島国ではないので発電所は内陸にもあり、そういうところは川の水を利用)

さて、そんなフランスですが、ル・モンド・ディプロマティークの記事から一つ:

ジャイタプールの原発反対運動

http://www.diplo.jp/articles11/1104.html

この記事の終わり方に、

「ジャイタプールの原発計画にかかっているのは、アレヴァの採算だけではなく、原子力分野における世界の主導権争いだ。新星のインドと中国は、国内のエネルギー生産を原子力によって3倍、4倍に引き上げるつもりでいる。もし両国の原発計画が頓挫すれば、原子力産業の世界的凋落が一気に加速することになろう。」

とありますが、世界の主導権争いをしている国は、フランスの他、米国と日本、そしてロシアと韓国が含まれます。

それなのに、フランスは干ばつで自国の原子力発電を止めることになるであろうし、米国は竜巻で原子力発電所の外部電力が失われ、日本は原子力発電で放射能を撒きちらし-

他国にセールスをしながら、自国のニュースが原子力発電所の脆さや危険性、事故を起こした場合の被害の大きさをアピールしているのは、皮肉なことです。

とはいえ、「それでも原発を買いたい」という国があることの不思議さ。

まあ、そうした買う側も賢くなっていくので、

「インド政府は、同年10月に原発事故時の外国企業の責任を規定した原子力損害賠償法を可決させている。アレヴァが大きな圧力をかけていた法案だ。」

と、この記事にも書いてありますが、買い手も、今までのような『売り手が有利になるような商売』をさせないようになっていくことでしょう。

(それが、原発産業の足を引っ張ってくれることを期待したいですね。)

参考:

「原子炉メーカーの製造物責任は問わず」というのが国際標準!?

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110420

「原子炉メーカーの製造物責任は問わず」というのが国際標準!?-2

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110420

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