新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

「台座」の展覧会

2016-07-18 18:13:52 | 美術館・博物館・アート

Emerson Lake & Palmerの名盤、「展覧会の絵」レコードジャケットは、

ELP「展覧会の絵」と、額縁絵のタイトルだけが並ぶものでした。

こんな展覧会があったら、かなりシュールだと思うのですが、埼玉県立近代美術館(MOMAS)で開催中の企画展「竹岡雄二 台座から空間へ」は、本来、作品を載せるための台座とか、作品を展示するケースだけが並ぶ、まさしくそんなシュールな展覧会。

もっとも、展示されるはずのものが無いのではなく、

彫刻を学んだ竹岡は、作品を「見せる」際に必要となる台座の存在に注目し、台座そのものをモチーフとする制作に着手します。厳選された素材、形、色彩によって制作された台座は、私たちの視線を誘いこむ彫刻的な姿をまとった作品としてあらわれます。その後、ガラスケース、ショーケース、棚など、陳列するための仕組みをモチーフとした作品に加え、陳列のための空間に眼を向けた制作を手掛けていきます。こうして「見せること」を探るために台座から始まった問いかけは、展示される空間・場所・環境へと拡がっていきます。

と、台座ケース自体がもともと美術作品として制作されたものなのだとか。

展覧会の順路の始めの方に、「オーギュスト・ロダン《青銅時代》」「アルベルト・ジャコメッティのための台座」といった、有名な彫刻作品のための台座のドローイングが展示されていました。
しかし、このドローイングと「特別出品:竹岡雄二による遠山記念館所蔵品展示」を除けば、ただひたすら台座やケースが並ぶだけ。

無機的な展示室に点々と据えられた無機的な台座を観ていると、自然に笑いがこみ上げて来ました。
何だこりゃぁ~って感じ…。

この「竹岡雄二 台座から空間へ」は、MOMAS遠山記念館(最も最近の訪問記)とで同時開催されていまして、あの有機的この上ない遠山邸の中で観る「台座」は、どんな感じなのか、これまた興味津々です。

ちなみに「埼玉県立近代美術館と遠山記念館の “タケオカ割”」というのがありまして、

埼玉県立近代美術館と遠山記念館の「竹岡雄二」展を両方観覧すると、2会場目の観覧料が2割引になります。2会場目の観覧券購入の際に、1会場目の半券をご提示ください。

だそうです。
私の場合、MOMASでは「埼玉県立近代美術館フレンド fam.s」会員ゆえに無料で観覧できたのですが、こんな場合、「タケオカ割」はどうなるのかと思っていたら、入場口(MOMASのいつもの企画展とは出入口が逆)で半券を頂戴できました。
う~む、うれしい

   

MOMAS常設展「MOMASコレクション」は、この土曜日から「第2期」展示替えされています。

これがまた、魅力的な作品がドッサリ展示されていて楽しかったぁ~

とくに、「埼玉の日本画-近代から現代へ」は、小茂田青樹「麦踏」とか、細田竹「あかり」とか、加藤勝重「皎」とか、北沢楽天「ぼんおどり」とか、「お持ち帰り」したい作品が目白押し

また、「『方寸』の時代」で展示されていた「パンの会」機関誌「屋上庭園」1号の表紙画(黒田清輝筆)が、「セレクション:ユトリロとか佐伯祐三とか」で展示されているジュール・パスキン「眠る裸女」とそっくりで、あれまぁ~ でした。
「屋上庭園」第1号の発行が1909年で、パスキンが「眠る裸女」を描いたのが1928年ですから、もしかしてパスキンがパクった? んなこたぁない よな…。

ちなみに「屋上庭園」第2号廃刊だそうな。「3号(合)でつぶれるというカストリ雑誌以下とは…

それはともかく、正直、万人向けとは言いがたい「竹岡雄二 台座から空間へ」と違って、「MOMASコレクション 第2期」万人受けすると思いました。
「MOMASコレクション 第2期」8月30日から後期展示に変わりますので、少なくとももう1回、観に行きますぞ

つづき:2016/07/23 「竹岡雄二 台座から空間へ」@遠山記念館(前編)

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