新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

「竹岡雄二 台座から空間へ」@遠山記念館(前編)

2016-07-23 20:12:02 | 美術館・博物館・アート

「竹岡雄二 台座から空間へ」展の遠山記念館展に出かけてきましたので、「『台座』の展覧会」のつづきのような記事を書くことにします。

と、遠山記念館に入る前に、周囲の様子がとても良かったのでちょいと写真撮影

田んぼのが美しい
そして遠山邸の門前の池では、パコパコと咲いていました。

やはりの花は仏さんのイメージですなぁ…

   

さて、それでは入館しましょうか… と、バッグから「タケオカ割」「埼玉県立近代美術館と遠山記念館の「竹岡雄二」展を両方観覧すると、2会場目の観覧料が2割引になります。2会場目の観覧券購入の際に、1会場目の半券をご提示ください。」というもの)用にMOMASからいただいていた半券を取り出そうとすると、、、ぎゃぁ家に忘れてきた

お出かけには忘れずに持ち歩いているクリアホルダーに入れておいたのに、そのクリアホルダーを忘れてくるとは、なんとしたことか

ところが、「捨てる神あれば拾う神あり」で、遠山記念館では「JAF割引」をやっていました
これ幸いと、クルマに戻って、JAFの会員証を持ち出して入場券売場

美術館にある券売所でJAFの会員証をお見せして入場券を買うと、お値段は通常価格の700円から2割引560円
つまり、「タケオカ割」同じ割引率だったのでした
ふぅ~、ミスを挽回できた…

   

「竹岡雄二 台座から空間へ」が開催されている「遠山邸」の前に、美術館で「ガラスと土の造形」展を拝見しました。

こぢんまりした展示スペースながら、なかなか楽しい

一番の見どころは、やはりポスターにも使われているこちら(ポストカードを購入しました)でしょう

仁阿弥道八「黒楽銀彩猫手焙」です。

背中を丸め、目を細めて寛ぐ黒猫をかたどった手焙。背中部分から炭火をいれるようになっており、亀の甲羅形の蓋が付きます。その蓋裏には「仁阿弥」の押印があります。両耳の部分に穴が開けられており、ここから煙が出る仕組みです。黒楽の柔らかさが存分に生かされ、さらに毛艶を際立たせるためか、黒釉の上から銀彩が薄く施してあります。琳派の伝統を汲んだ日本の情緒と茶湯趣味を追及した洒脱な趣の作品で知られ、とくに陶塑物(とうそもの)に優れた腕前をみせた道八の傑作のひとつといえます。

との説明ですが、可愛いったらありません

「手焙」というのは、こちらによれば、

冬季に茶席や腰掛待合(こしかけまちあい)に置いて暖をとるための小形の火鉢。手炉(しゅろ)ともいう。

だそうで、私はこのネコ懐炉のようなもので、ナデナデして暖をとるものかと思ったのですが、ちょいと違う風。かわいいからとなでたら火傷してしまうかも知れません
もしかすると、「黒楽銀彩猫手焙」人生の教訓的な意味を含んだ暖房器具なのかも…

この他、先週の「真田丸」を思い出してしまった呂宋茶壺とか、右に載せた「魚蓮花文様青釉ファイアンス皿」BC1570-1314年頃エジプト新王国時代18王朝のもの)とか、BC 2世紀~1世紀のエジプト又は東地中海域のものという「香油瓶コアガラス(昔の映画館でスクリーン前にかけられていたカーテンのヒダヒダを思い出した)とか、結構楽しめました

そうそう、ネコと一緒にポスターを飾るステンドグラス

 「紋章・グロテスク文様エナメル彩ステンドグラス」という名前のもの(19世紀のヨーロッパ製?)なのですが、その名とは裏腹に、全然グロテスクじゃありません

「グロテスク」と聞けば、

異様で気味の悪いさま。不快になるほど異常なさま。グロ。 「 -な姿」 (大辞林 第3版)

というイメージしか私は持ち得ない。
ところがどっこい、説明板を読んで知ったところによれば、本来は(美術史的には現在でも違う意味なのだとか…
Wikipediaの記述から引用すれば、

美術においては「グロテスク」は、花飾りと小さく幻想的な人間と動物の像とを織り交ぜたアラベスクの装飾的な配置であり、通常はある種の建築構造の周辺の対称的なパターンとして配置されるが、これは確実なものではない。このような意匠は古代ローマでフレスコ壁画や床のモザイクなどとして流行していたもので、 ウィトルウィウス(紀元前30年頃)はこれらを無意味で不合理なものであるとして退ける文脈で実に優れた描写をしている:「カールした葉を伴う葦が縦溝彫りの柱に取って代わり、渦巻飾りがペディメントの代わりとなり、枝付き燭台が神殿の彫像を支持し、その天井には人間の顔が意味もなく載った細身の脚と渦巻飾りが生えている。」
ネロのドムス・アウレアが15世紀末に偶然発見された時、1500年の間土砂に埋もれていた部屋は地下洞窟(grotto)の様相を呈しており、フレスコや繊細なスタッコによるローマの壁面装飾は一大発見であった。

だそうで、「地下洞窟(grotto)」が語源らしい。

いやぁ~、勉強になりますねぇ…

ということで、「竹岡雄二 台座から空間へ」@遠山記念館のことは「後編」で書きます。

コメント
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