新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

秋田市内の美術館&記念館もなかなか♪(その2)

2011-08-19 11:03:18 | 美術館・博物館・アート

秋田市内の美術館&記念館もなかなか♪(その1)」のつづきは、秋田市大町にある赤れんが郷土館の訪問記です。

この施設は、1912年に旧・秋田銀行(沿革はこちら)の本店として建てられた「赤れんが館」と「新館」「収蔵庫」で構成されていて、1985年にオープンしました。
私が訪問するのは、今回が初めてでした。レンガ造りのこの建物自体は、昔から意識しておりましたけど…

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郷土館の懇切丁寧かつ詳細な「建物解説シートによれば、設計は外部が秋田県技師の山口直昭さん、内部が星野工業事務所の星野男三郎さんだそうで、レンガ造り2階建ての本体に、1階は白い磁器タイル、2階は赤い化粧レンガで飾られています。

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内部は外観以上に手のこんだ素晴らしいつくりで、吹き抜けの営業室は壮麗という感じ

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解説シートに、

楕円形のオリーブバンド(オリーブの葉をリボンで束ねた形の装飾)に唐草文様があしらわれ、周囲にはダイヤパーパターン(四方連続の全面文様。格子を基本的要素にして他のモチーフが加えられることが多い)、縁飾りに卵舌文様(卵と舌を連続させた文様。他に矢ややじり、錨が用いられることもある)と歯飾り(歯の形を連続させた文様)が使われています。正円や正方形、規則性を好んだルネサンス時代に対してバロック時代には楕円や長方形、いびつな形の面白さが好まれました。

と書かれている(カッコ内は解説シートからの引用を解説文の流れに合わせてちょっとだけ修正)天井も見事

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もう1枚、窓の外から撮った写真を…。

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営業室のすぐ奥には頭取室がありました。
こちらは営業室とうって変わってWoodyでした。

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昔の銀行って、営業室と頭取室(あるいは支店長室)と隣り合わせにすることが多かったのでしょうか?
日本銀行旧小樽支店も、支店長室が営業室のすぐ隣りにありましたものね(こちらの記事をご参照方)。

上の写真の左のドアを出ると、右手に書庫があって、その奥には金庫室があります。
この2室は秋田市の伝統工芸品の展示室になっていて、私にとってかなり懐かしい「八橋のおでんつぁ」も展示されていました
八橋(やばせ)のおでんつぁ(ん)」というのは、秋田の八橋地区その1の「秋田の行事」の紹介に出てきた日吉八幡神社のある地区)でつくられている天神様の土人形のこと。
秋田市では、男の子には八橋にある菅原神社のお祭りの際に天神様の土人形を買ってきて、「かしこぐなれやぁ~(賢くなれよ)」と願ったものらしく、実家にはの「おでんつぁ」の他、、そして徴兵先で事故死した叔父のものを合わせて3体の「おでんつぁ」がありました。

母さん、ぼくのあのおでんつぁどうしたでせうね?

と、西条八十の「麦藁帽子」をもじってしまいましたが、ホント、どうなったんだろ、「ぼくのあのおでんつぁ」は? 帰省しているうちに確認しておくべきでした…

   

2階の貴賓室は、頭取室が質素に見えるほど豪華にしつらえられていました。

110819_1_08 ドアも美しい…

110819_1_09 またまた解説シートによりますと、

天井は格式が高いとされる格天井、寄せ木の床には数種類の木が使われ、ケヤキの扉には紫檀・黒檀を使った象嵌が施されています。腰壁部分には、柿渋塗料で仕上げたクロスに月桂樹をデザインした模様が手描きされています。窓にはウィンドウマントル(窓の上飾り)が、出入り口には装飾の施された三角ペディメントがつけられています。

だそうです。

この部屋の見どころは、見事な内装だけではありませんでした。
それは、この部屋に陳列されていた旧秋田銀行の行章です

110819_1_10」をモチーフにしていますが、なんか変じゃありませんか?

そう、「」と「」が逆になっています

こうした書き方をした「」を目にするのは初めてではなく、むかぁ~~しからこちらの校章を見て不思議に思っていました。

110819_1_11 秋田工業高校の校章は、「」と「」をモチーフにしているのですが、この「」もまた「」と「」が逆
高校生の頃からずっと不思議に思いつつも、放置しておりました…が、この記事を書くにあたって調べてみると、あっさりと答が見つかりました。インターネットさまさまデス

大修館書店サイトでしっかりと説明されていました。

Q. 「秋」という字は、「禾」と「火」の左右を入れ換えて書いても、上下に並べて書いてもいいと聞いたのですが、本当ですか?
110819_1_12 A. 本当です。小社『大漢和辞典』には、図のような漢字がきちんと収録されていて、どちらも「秋」の異体字であると示されています。ただし、左右に並べて書いた字は「禾」の部首に収録されているのに、上下に書いたものが「火」の部首に収録されているのは、ご愛敬です。
 会意文字であれ形声文字であれ、2つのパーツを組み合わせて作られた漢字は、それぞれのパーツの意味や発音が、出来上がった漢字の意味や発音の元になっています。一方、異体字とは、意味や発音が同じなのに、形だけが違う漢字のことです。そこで、パーツが同じなのに組み合わせ方が違う異体字というものは、数多く存在するのです。それは、何も「禾」と「火」の組み合わせに限ったことではありません
 ただし、同じパーツが組み合わさっているにもかかわらず、意味や発音が全然違うものになってしまう漢字もあります。そのあたりに関しては、以前、Q0082で取り上げたことがありますので、そちらをご参照ください。

なるほどぉ~、さすがは大修館書店だぁ

長年の胸のつかえがとれたところで、思い出しました。手元に漢和辞典があることを…。
さっそく「明解 漢和辞典 新版長澤規矩也編著・三省堂刊)」を引いてみますと、

110819_1_13?は古字」という説明が

う~む、、、もっと身近なところに答があったか…。
これは無精をしていたものです…

110819_1_14 ちなみに、よく芝居や相撲では「」ではなく「」という書き方をします。
これは、「」で使われている「」を嫌ってのことらしい。
しかも、「」なら「」で縁起がいいですからなぁ。

ありゃりゃ、またまた話が脱線してしまいました

そして、またまた記事が長くなってしまいましたので、ここで一息入れさせていただきます。

つづき:2011/08/20 秋田市内の美術館&記念館もなかなか♪(その3)

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