「3年半ぶりの福岡旅行 #2-3」のつづきです。
聖福寺の次は、久しぶりに福岡市美術館に行くことにしました。
福岡市美術館で開催中の特別展は、「永遠のソール・ライター」展 (3月5日で終了)。この展覧会は、2020年2月末にBunkamura ザ・ミュージアムで観ました。私が観に行ったわずか2日後に、コロナ禍で急遽打ちきりとなったんでしたなぁ (記事)
2020年の「美術館・博物館めぐりの振り返り」で TOP 3に選出するほど (記事)、とても素晴らしく、大好きな展覧会でしたけど、今回はこちらをパスして、常設展を観ることと、大濠公園をのんびりと歩くことを目的に、決めました。
まずは、上呉服町の細い道を左に右にと曲がりながら明治通りを目指しました。
碁盤の目状になっている町ですので、方向を見誤る心配はありません。
と、ラッパスイセンが咲いてる
春ですなぁ~
呉服町から地下鉄で大濠公園まで行くつもりだったのですが、すぐ近くにバス停があって、かつ、大濠公園行きのバスが近づいてくるのが見えたので、景色を楽しめる路線バスを選択しました。とくに急いでいるわけでもありませんでしたし。
ちなみに、呉服町~大濠公園を地下鉄とバスとで比べると、
地 下 鉄:260円 8~9分
路線バス:240円 30分前後
でした。
バスは昭和通りを通って大濠公園に向かいます。
途中、いかにも日銀の支店っぽい建物が見えて、スマホで地図を見ると、当りぃ~
日銀の支店の建物って、大阪支店など一部を除いて、どこも似た雰囲気を醸し出しているのはなぜなのでしょうか
それはともかく、呉服町から30分かからずに大濠公園に到着しました。
うららかな好天の大濠公園は、日曜日とあって、家族連れで賑わっていました。
池の周りを走っている人のなんと多いこと
皇居の周りと違って、ちゃんとランニングトラックが表示されているのがヨカヨカ
の~んびりと池の周りを1/3周して、福岡市美術館に到着。
私が福岡市美術館に来たのは、2005年2月以来、18年ぶり2度目
かなりの久しぶりでしたが、観覧料は当時と同じ200円というのに驚きました しかも、JAF割引を使って、私は150円で入館いたしました
そして、18年前にもっとも印象深かった福岡市美術館のコレクションに再会
中ハシ克シゲ「Nippon Cha Cha Cha」です。
小錦ぃ~
昔、MISIAのライヴ(THE TOUR OF MISIA 2002だったはず)で出かけたさいたまスーパーアリーナで、VIP席にいる小錦さんを遠目から拝見したことがあります。一般席だったら椅子が小さすぎるし、後ろの人がかわいそう…なんて考えたりしましたっけ…
さて、福岡市美術館の常設展は、近現代作品は基本的に撮影禁止で、古美術品と、そして私が出かけたときに開催中だった企画展「田中千智展 地平線と道」は撮影可でした。
田中千智さんというアーティストは、これまで存じ上げなかったのですが、いいじゃありませんか
フライヤーを転記しますと、
田中千智(1980年生まれ)は、2005年多摩美術大学美術学部絵画学科油絵専攻卒業後、2006年より福岡を拠点に作家活動を開始しました。アクリル絵具を使ったフラットな漆黒の背景に、艶やかな油彩で前景を描くという独自の手法を開拓した田中の作品には、笑みとも怒りともとれる人物の表情、漆黒の中にきらめく風景など、相反する要素が組み合わされ、観る者に強い印象を与え、その想像力をかきたてます。
とのこと。
冒頭に展示されていた「きょう、世界のどこか」からほぇ~って感じ。
美しい夜景なんだけれど、寂しさを感じます。
こちらの「漂う」(右)と「浮かぶ」(左) もそう。
日本画に金碧障壁画というジャンルがありますが、背景の金箔を漆黒に変えて、前景に現代を持ってきた風があります。
この「ここにいると決めた」にも惹かれるなぁ
そういえば、フライヤーに使われている「地平線と道」は、どことなくMISIA「希望のうた」(詞:矢野顕子) の冒頭、
歩いて 歩いて 街のはずれまで来た
昨日はもう 思い出にしてきた
が頭に流れてきます
とってもキャッチーながら、観ているとストーリーが浮かぶ作品ばかりなんですが、いろんな本の表紙を飾っていたんですな
それどころか、「きょう、世界のどこか」が、お気に入りの作家のお一人、沢木耕太郎さんの「波の音が消えるまで」に使われていたとは
沢木さんのノンフィクションは追っかけてきたつもりの私ですが、小説だからと無視してた作品じゃぁ~
そこはかとなく自己嫌悪に落ち込む私でありました
この「田中千智展」は、「第1回 ホワイトウォールプロジェクト」として開催されたもの。
福岡市美術館では、2019年リニューアル時に誕生したホワイトウォール(約3.14m×13m)を舞台とした、新たな企画展「ホワイトウォールプロジェクト」を実施します。これは3年に1度、気鋭のアーティスト1組に、壁面を用いた新作を依頼し、あわせて隣接する展示室(近現代美術室 B)において、当該アーティストの個展を開催するものです。
というわけで、今年1月に完成したという「第1段階」を鑑賞できました。
作品のタイトルは「生きている壁画」で、
壁画は2023年1月に第1段階が完成しました。この後、2024年1月、2025年1月と1年ごとに加筆をおこない、画面が変化していきます。(壁画の展示は2025年12月末まで)
だそうですから、2025年末までに、少なくとももう2回、福岡市美術館に来なくては
上に載せた「生きている壁画」の写真、右端が通りすがりの人で隠れてしまいましたので、その部分を載せておきます。
正面を見つめる狼のとなりで体育座りしているのは「赤ずきんちゃん」ならぬ「青ずきんちゃん」でしょうか
福岡市美術館での見聞録は「#2-5」につづきます。
【追記】NHK福岡が「生きている壁画」の制作の様子を取材していたんですねぇ。そのWeb記事はこちら。 (2023/03/19 10:27)
つづき:2023/03/25 3年半ぶりの福岡旅行 #2-5
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