「廃墟よりこちらが好き #1」(記事2本では完結しませんので、タイトルを 前編⇒#1 と変えました) のつづきです。
埼玉県立近代美術館(MOMAS)の企画展「インポッシブル・アーキテクチャー もうひとつの建築史」の見聞録の2回目は、「東京都庁」の観点
から書いてみようと思います。
現在の東京都庁は、丹下健三御大の手になるもので、西新宿に屹立しています。
この都庁、私は仕事で2~3度、訪問したことがありまして、あるとき、仕事を終えてエレベーターに乗ったところ、とある階から乗ってきたサンダル履きの「いかにも都の職員
」が、すぐ下のフロア
で降りて行きました。
乗り合わせた一般都民らしきおばちゃんの一団のお一人がぼそりと、
へぇ~、1階だけでもエレベーターに乗るんだ…
私も、このおばちゃんとまったく同じことを思っておりました
こんな思い出は別としても、私、今の都庁の建物はあまり好きではありません
旧ソ連風に権威主義的過ぎるし、全体的にゴチャゴチャしているし…
そんな現都庁よりも、コンペで敗れ去った 磯崎新の「東京都新都庁舎計画」(1986)
の方が好きだな…
そういえば、磯崎新さん、「『建築のノーベル賞』と呼ばれる米プリツカー賞」を受賞されたそうで、おめでとうございます
それはさておき、この磯崎さんの「東京都新都庁舎」、何かに似てませんか?
そう、これ に似てる
お台場にある、通称「フジテレビ本社ビル」こと「FCGビル」(1996)です。
この設計者は誰? と思ったら、、、、よりによって、磯崎新さんが都庁舎コンペで苦杯をなめた相手、丹下健三さんとな
こんなのありか???? と、鼻息も荒くWikipediaを読むと、、、
レム・コールハースが、建設中のFCGビルについて磯崎新に「あそこに君の都庁が建っているじゃないか。コンペには負けたんじゃなかったのかい?」と勘違いともジョークとも捉えられるコメントを残している。東京都庁舎コンペに招待された磯崎は「錯綜体」案を提案し、結果としてコンペは磯崎の師匠である丹下が勝利を収めたという過去がある。
ですって。
やはりそうだよねぇ~
もう一作品、「幻の都庁舎」の展示がありました。
右の山口晃「都庁本案圖」(2018)は、左の会田誠「東京都庁はこうだった方が良かったのではないか?の図」(2018)(タイトルが、チコちゃんに叱られる!の「NHKたぶんこうだったんじゃないか劇場」を髣髴とさせる…)に示された、
こうしたいくつもの指示に忠実に、場合によっては、会田の適当な指示よりも明確にアイデアを具体化したもの
です
これですよぉ~~
と、激しく盛り上がったところで「#2」はおしまい。