聖書根本主義者は聖書に書かれてある事柄はすべて歴史的事実だと考えているそうだが、疑問に感じることはないのだろうか。
たとえば、地上にはアダムとイブ、その子供たちしかいないはずなのに、カインやセツには妻がいる。
カインとセツ、そして彼らの子供たちは自分の姉妹としか結婚できない。
ネットで調べたら、外典の『ヨベル書』には妹のアワンがカインと妻とされているそうだ。
『創世記』によると、カインの子孫には遊牧民、音楽家、鍛冶の祖とされる人がいるが、でもノアの方舟のときの大洪水でカインの末裔はみんな死んでいるはず。
これも不思議な話です。
『創世記』でアダムの系図が長々と書かれたあとに登場するのがノアである。
いくらなんでもノアの方舟や大洪水なんてあり得ないと私は思うのだが、アララト山まで行ってノアの方舟を探している人たちがいる。
アポロ15号で月面着陸した宇宙飛行士のジェームス・アーウィンもその一人で、ハイフライト基金キリスト福音教会を設立、トルコのアララト山で6度もノアの方舟を捜索したそうだ。
『トンデモ超常現象99の真相』に、そもそも旧約聖書の記述はあり得るかということが書かれてある。
1 ノアの家族だけで長さ300キュビト(130m)、幅50キュビト(22m)、高さ30キュビト(13m)もある船を建造することができるか。
2 8600種の鳥類、4500種の哺乳類、6000種の爬虫類を世界中から集めることができるか。
3 雨が降り出してから方舟を出るまでの1年間のエサはどうしたのか。
4 標高5041mのアララト山が水没するための水はどこから来て、どこに消えたのか。
聖書原理主義者はどのように考えているか聞きたいものです。
ダーレン・アロノフスキー『ノア 約束の舟』では、これらの難問をどのように解決しているでしょうか。
1は、天使だった岩の怪物が手伝ってくれる。
2は、動物たちはぞろぞろと自分から、しかもひとつがいずつやって来る。
3は、動物たちは眠っている。
4は、水は雨だけでなく、地中からも吹き出てくる。
こういう回答しか思いつけませんよね。
『創世記』ではノアの三人の息子たちに妻がいる。
ところが、『ノア 約束の舟』では長男のセムには妻がいるが、弟のハムとヤペテにはいない。
『ノア 約束の舟』の続編が作られるとして、一人立ち去ったハムのその後をどのように描くか気になります。
岡崎勝世『聖書VS世界史』は、聖書によれば天地創造は紀元前約4千年前のことなのに、エジプトや中国の歴史は天地創造よりも古いことを知った神学者たちがつじつま合わせに苦労する様子が書かれている。
ノアの方舟が歴史的事実ではないとして、ではアブラハムやイエスの言行などはどうなのか。
あれもこれも作り話でしたということになると、世界観が壊れてしまう。
聖書根本主義者が聖書に書かれてあることは実際にあったことだと信じ込みたいのもわかる気がする。
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