三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

宗教関係者への相談ということ

2015年01月12日 | 仏教

旧聞に属しますが、読売新聞(2012年6月28日)の記事です。

「死」怖くない だけど苦痛イヤ 経産省研究会が意識調査/宗教とのかかわり薄く
 自分が死ぬこと自体は深刻に考えていない。死後にどうなるかも悩んでいない。でも死ぬ時に苦しむのはいやだ――。経済産業省の研究会が実施した意識調査で、そんな傾向が浮かび上がった。
 調査は今年1月、経産省のライフエンディング・ステージに関する研究会(委員長、中村芳彦・法政大教授)がインターネットを利用して行い、30歳以上の男女4181人から回答を得た。
 死についてある程度考えている人は69%と比較的多いものの、考えても思い悩まない人が62%を占めた。死ぬのがとても怖いかと尋ねると、怖い人が47%に対し、怖くない人のほうが53%と多い。年齢が高くなるほど、死を恐れる人の割合は低かった。
 死後の世界で自分がどうなるか悩んでいる人は12%にすぎず、苦しんで死ぬのが怖いという人が79%と圧倒的に多い。
 最期の迎え方の希望を聞くと、「ある日突然、苦しまずに死にたい」が60%と多く、「病気で多少寝込んでもいいから少しずつ死に向かっていきたい」は24%、「認知症になって自分でわからないうちに死にたい」は3%だった。
 最期を迎える時の不安・心配(複数回答)は、「病気に伴う痛みや苦しみ」が45%、「家族や友人との別れ」が29%、「家族が経済的に困らないか」20%、「家族が精神的に立ち直れるか」18%、「家族がみとってくれるか」17%、「やりたいことができずじまいになる」15%の順。
 親と死別した時に家族以外で相談するだろう人(複数回答)は、葬祭業者24%、医療関係者10%、行政機関9%、法律家8%の順で、宗教関係者は6%にとどまった。
 日ごろの宗教的行動では、年1回以上墓参りする人が68%にのぼったのをはじめ、仏壇や神棚に花を供えたり手を合わせたりする、おふだなどを身の回りに置く、神社仏閣に参拝するといった習俗的な行為をしている人は少なくない。しかし礼拝・おつとめ・布教をする、聖書や教典を読むなど、本格的な宗教行為をしている人はわずかだった。
 研究会メンバーの戸松義晴・浄土宗総合研究所主任研究員(前全日本仏教会事務総長)は「死が怖くないのは、病院で亡くなるケースが増え、死のリアリティーが減ったためかもしれない。死別の際に宗教者を頼る人が少ないのは接点の少なさの表れで、宗教界は危機感を高めるべきだ。苦痛を取り除く緩和ケアの需要が高いので、そこで何ができるかも考える必要がある」と話している。

私も自分の死は怖いとは思わないが、痛いのはいやです。
大病などをして死の問題が眼の前に突きつけられたわけではないので、切実感がないだけということもあるけれども、自分が死ぬことよりも家族に先立たれるほうが私は怖い。

「親と死別した時に家族以外で相談するだろう人」として宗教関係者をあげる人が少ないということですが、「全仏」という全日本仏教会の機関誌に寄稿された塚嵜智志氏の文章にこんなことが書いてありました。

「宗教者への相談」という質問(新日本仏教団体連合会・1999年 データブック「現代日本人の宗教」石井研士著)では、「相談したことはない、わからない」で答えた人が87.4%と全体の大多数を占め、「占い師や霊能者」が4.8%、「神主さん」が2.3%、「牧師や神父さん」が1.2%、「新宗教の教祖や信者さん」が1.6%となっている。一方「お坊さん」と答えた方は4.2%と他の宗教者と同じく厳しい結果となっている。

都会と地方都市、農村部ではかなり違っているとは思いますが、親の死別だけではなく、宗教者に相談したことがない人が多いわけです。
坊さんに相談する人は占い師や霊能者への相談者と同じくらいですが、占い師や霊能者よりお坊さんのほうが多いだろうから、人数あたりの相談率は坊さんはかなり低い。
緩和ケアでの取り組みは大切ですが、それよりも日常的な関わりを作っていかないといけないんでしょうけど。

コメント
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