夏休み、娘たちが何本も映画のDVDを借りてきた。
感想を聞きました。
木下恵介『二十四の瞳』
長女「セリフが聞き取りにくい。眠ってしまった」
次女「長い」
妻が「5年かけて撮影したのか」と尋ねるので、どうしてかと思ったら、子供たちが1年生が6年生になるのだが、顔立ちが似ているんですね。
12組の兄弟姉妹なんだそうだ。
ウィリアム・ワイラー『ローマの休日』
次女「よくある話」
岩井俊二『Love Letter』
長女「最初は何のことかわからなかったけど、不思議な感じでおもしろかった」
次女「なかなかいい」
山下敦弘『リンダ リンダ リンダ』
次女「青春という感じ」
内田けんじ『運命じゃない人』
長女「ゆるくていい」
次女「最初はおもしろくない。テレビならチャンネルを変えていた」
吉田大八『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』
長女「ねえちゃんにはムカツク。にいちゃんが不憫。お嫁さんはけなげ」
次女「俳優がうまい」
吉田大八『桐島、部活やめるってよ』
長女「好き」
次女「もう一回見たら、たぶんおもしろい」
ナイト・シャマラン『シックス・センス』
長女「一番オススメかも」
次女「あざといけど、おもしろい」
クエンティン・タランティーノ『レザボア・ドッグス』
長女「好みによる」
次女「グロい」
ジャン=ピエール・ジュネ『アメリ』
次女「フランスってこんなんかなと思った」
クリント・イーストウッド『ミリオンダラー・ベイビー』
長女「主人公のおじさんの出ている映画は好き」
次女「よかった」
ベン・アフレック『アルゴ』
長女「映画的にはよかったが、現実は複雑。イランが悪役になっているけど、アメリカだって悪い」
次女「何の話かわからない。ベン・アフレックはかっこよくて、頭がよくて、アカデミー賞をもらうなんて許せない」
長女が「映画の作り方が変わった」と言う。
『ローマの休日』や『二十四の瞳』のように、話が時系列に沿って進み、登場人物の考えていることが観客にわかる映画が昔は普通だった。
ところが、『運命じゃない人』『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』『桐島、部活やめるってよ』などは、話が行ったり来たりするし、視点がころころ変わる。
『ミリオンダラー・ベイビー』のように、登場人物がどうなったかわからないまま終わる映画も少なくない。
そういう映画に慣れたら、『ローマの休日』『二十四の瞳』といった名作であっても、単純すぎて物足りなく感じるのかもしれない。
それにしても、二十数年前に『二十四の瞳』を見たとき、映画の終了と同時に拍手がわき起こったもんですが。