『美しき冒険旅行』は、オーストリアの原野をさまよう姉と弟(14歳と6歳という設定)の物語である。
黒澤明『素晴らしき日曜日』が少しも素晴らしくない日曜日だったように、『美しき冒険旅行』も美しい冒険旅行ではない。
アボリジニの子供が強制的に隔離、収容されていたという『裸足の1500マイル』を見れば、『美しき冒険旅行』はアボリジニの生活を美化しているように感じる。
主役のジェニー・アガター(当時19歳)がいいんですよ。
そして最後のシーン、姉(ジェニー・アガター)が結婚し、遠くを見るような目で美しき冒険旅行を思い出す。
『美しき冒険旅行』の日本公開は1972年、私は高校生でした。
私にはそんな美しい思い出はありませんが。
原作のジェームズ・ヴァンス・マーシャル『美しき冒険旅行』は何やらいやらしい感じがしてオススメ。